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BRAND STORY 008 / L’ANGÉLIQUE

国内をはじめ、世界のファッションシーンを牽引する人気ブランドの原点から未来のヴィジョンまで、ブランドのアイデンティティをストデパらしく紐解く『BRAND STORY』。連載第8回目にご登場いただいたのは、洗練された大人の豊かな日常に溶け込むランジェリーを提案する、『L’ANGÉLIQUE』デザイナー有馬智子さん。日常のちょっとした会話や生活の中からアイデアが生まれることが多いという、モノづくりのこだわりとブランドの世界観ついて伺いました。

アウターウェアからモノづくりのキャリアをスタート

優美で繊細なリバーレースを贅沢に使い、豊かなリアルライフを楽しむ女性に向けてランジェリーを提案する『L’ANGÉLIQUE』。2011年にブランドをスタートし、現在では全国の百貨店の他、海外のセレクトショップでも取り扱われ、フランスで年に2回開催されるランジェリーサロンでも注目を集めている。国内のみならず海外の専門家も唸らせる、日本人のアイデンティティを感じる巧緻なディテールとデザインを生み出すデザイナーの有馬智子さんは、もともとインナーウェア業界ではなくアウターウェアブランドでデザインやパターン、企画をしていたそう。

「服飾専門学校を卒業後、アウターウェアブランドで働いたのがファッションのお仕事の始まりなんです。主にヨーロッパに向けて輸出をしているブランドだったのですが、そこでロシア人の師匠の下、モノづくりのノウハウを学ばせていただきました。その後、コレクションブランドでデザインやパターン、企画をしていました」


慌ただしい日々を送る中で仕事との向き合い方を考える機会があり、改めて、自分が初めて好きになったブランドがフランスのランジェリーブランドだったという記憶が蘇り、今に繋がっているという。

「高校生の時に地元のセレクトショップでアルバイトをしていて、そこで取り扱われていたフランスのブランドが、綺麗なランジェリーを作っていてお洋服も一緒に展開していました。今はなくなってしまったのですが、私が初めて好きになったブランドであり、下着の入り口がそのブランドからでしたので、国内で欲しい物がなかなか見つけられずフラストレーションを抱えている部分があったんです。一方で、仕事のことを長い目で考える機会があり、『クロエ』の下着は素敵だなと思っていたので、アウターとはまた違う小さなサイズ感のインナーウェアに関わることに興味が湧いて、当時『クロエ』のライセンスを手がけていた『カドリールインターナショナル』に入り、今に至るという感じです」

そして入社後、『クロエ・リュクス』を手がけるチーフデザイナーのアシスタントとしてインナーウェアの経験を積み、『L’ANGÉLIQUE』に携わることになる。

  • 今秋、新宿『NEWoMAN』にオープンした『L’ANGÉLIQUE』フラッグシップショップにて、ブランドの世界観について丁寧に語ってくださるデザイナーの有馬智子さん。

時代を超えて残るような、
価値あるモノづくり

“SIMPLE、ELEGANT、SMART”をブランドのコンセプトに掲げ、何気ない日常の出来事から発想を膨らませて作り上げていくデザインには、“美しいものに囲まれている時に感じることができる、リュクスな心地良さとやすらぎ” を肌で実感して欲しいという思いが込められている。

「ランジェリーは直接肌に着ける物なので、なるべくストレスのない良質な素材を選び、ナチュラルな着け心地を実現するために、じっくりと時間をかけて開発しています」

ストレスなく快適に過ごせる物を完成するまでに1年はかかるという。また、良質な素材選びをしていく作業の中で気になったところがあればすぐに足を運び、現場を見るようにしているそう。

「先日播州織の産地、兵庫県西脇市に工場見学も兼ね行ってきました。テキスタイルデザイナーの方が綿花を育て、織物を作り上げる活動をされていて、その収穫祭へも参加したのですが、材料のルーツを知ることでもっと気持ちが入るというか、良質な材料をどうやって活かすかは、材料の本質を知る必要があると感じました」


ルーツを知った上で価値のある物を作りたいという思いは、アンティークの物を通して培われた価値観だという。

「アンティークを見ていると、時代を超えて残るべき物はこういう物なのかなって感じさせられることがあるんです。その中にレースの美しさに気づく部分もあって。だからレースは好きなんですよね」

『L’ANGÉLIQUE』が使うレースはレトロな雰囲気でどこか懐かしく、そして新鮮な印象を与えてくれる。その理由は温故知新の精神と審美眼から生まれている。

「レースを選ぶ時、作られた100年後に私がアンティークを見ているように、もしかしたら100年後に同じことが起こるかもしれない、また、そうでありたいと思える物を選べたらと思っています。そういった意味でも、『L’ANGÉLIQUE』でよく使うフランスの『マレスコ』のリバーレースは特別な価値がある物だと思います。フランスのマレスコの工場へ出向いた際、何故こんなに魅力的なレースを作れるのか? と話を聞いてわかったことなのですが、通常のレースは構造上の制約の中でレースのデザイナーがデザインをおこしていきますが、『マレスコ』のレースはベルエポック時代の画家が描いた絵をレースにするという常識的ではない作り方をしているので、それ自体がすでにアート。他のメーカーとは全然始まりが違うんです。今はリバーレースの需要が減っているため、残さなければならない貴重なフランスの産業ということで、『マレスコ』はレース業界の最高峰『ソフィアレット』の傘下に入り、守られているブランドの一つです」


また、レースを選ぶように、その他すべての素材の選び方にもこだわりがある。

「私の生地の触り方を見て生地屋さんに最初に、下着のデザイナーじゃなかったでしょ?と見破られました(笑)。インナーウェアの方は伸縮性を大切にするので最初に確かめる方が多いんです。私は肌が弱いということもあって、天然素材が好きなのと、インナーの素材に対する固定概念がないため、伸びない素材を選ぶことも多いのですが、伸びない素材でこの立体を作るには高度なテクニックが必要なんです。技術的に優れた工場背景を持っていることで、ブランドとしてこだわりたい素材を使って作りたい物が実現できているという点が、他のブランドさんとの大きな違いかなと思っています」

右上から時計回りに
オリジナルのストレッチリバーレースを使用して、着心地にこだわった「23」シリーズのトライアングルブラ。軽やかな着け心地が魅力。 ブラ 8,500円/L’ANGÉLIQUE
花市の麗らかな印象を表現したチューリップ柄のオリジナルストレッチリバーレースを使用した、総レースのタンガ。アウターにほとんどひびかないという優れ物。 タンガ 5,000円/L’ANGÉLIQUE
カップのくりがバストに沿い、程よいホールド感のある「Vanilla sky」シリーズのトライアングルブラ。アンダーバックも総レースで華やかな仕様になっている。 ブラ 8,500円/L’ANGÉLIQUE
メインの生地にはパウダリーな質感のイタリア製ストレッチタフタを使用し、マットでスタイリッシュな印象に仕上げたキャミソール。ラウンドした裾のレースがポイント。 キャミソール 13,000円/L’ANGÉLIQUE

毎シーズン、リピートしたくなるベーシックシリーズ

素材の選び方や上品なカラーリングなど『L’ANGÉLIQUE』のアイテムはどれもインポートブランドのような雰囲気が漂っている。

「よくインポートっぽいって言われるのですが、海外だと逆に日本っぽいって言われるんです(笑)。日本人はすごくセンシティブなイメージがあるようで、繊細なディテールや色の交わりなどを見て、日本ぽく感じるみたいです」

パリで開催されるランジェリーサロンに訪れる業界の専門家たちは、『L’ANGÉLIQUE』が使う素材が他のブランドと違うことに興味を示すという。

「懐かしい物や繊細な物を使っていますので、業界のマニアックな人たちから評価をいただくことがありますが、決して特別な物ではなく、私が『マレスコ』のレースの魅力に引き寄せられストーリーを聞くまで知らなかったけど、なんだか素敵だと思っていた。みたいな感じで、直感で美しさや心地良さを感じてもらえたらと思っています」


数あるコレクションの中でも絶大な人気を誇る、ベーシックシリーズについてはこんなエピソードがある。

「海外で初めてコレクションを発表した時から継続している、“Vanilla Sky”はロンドンのコロンビア通りで毎週日曜日に開催されるフラワーマーケットの風景がコレクションのイメージなんです。マーケットが始まる、夜から朝になる境目のような時間帯、“Vanilla Sky”(朝焼け)をモデル名にしています。同じく、ベーシックシリーズの“23”は、フラワーマーケットから少し脇に入ったところに美味しいパン屋さんがあって、そのお店の番地がモデル名なんです(笑)。パン屋さんのグローサリーのイメージで爽やかな印象の色から展開をはじめて、今はブラックが人気になったためブラックをベースに色展開しています」

新しいデザインを発表していくコレクションラインに限らず、ベーシックシリーズも毎シーズン新色が発表されている。目新しくなった色へのときめきだけでなく、贅沢なレースと上質な素材が使われているというリュクス感、そして着け心地の良さからベーシックラインをリピートする人も多いそう。同シリーズのブラとショーツ、キャミソールをセットアップでスタイリングすると、より一層シリーズの世界観を感じることができる。

  • 「Vanilla sky トライアングルブラ(gray)」
    麗らかな印象のチューリップ柄のリバーレースを主役に布地の優しい光沢が可憐な輝きを添える、ベーシックシリーズ“Vanilla sky”のトライアングルブラ。ノンワイヤーでもバージスラインをしっかりキープする仕様が嬉しい。朝焼けをイメージした配色から展開をスタートし、シーズンごとに新色での提案をしている。現在、ナイトグレーの他、オフホワイト、アンティークローズ、ベイビーブルーも展開中。 ブラ 8,500円 ショーツ 5,500円/ともにL’ANGÉLIQUE

  • 「23 3/4カップブラ(pink)」
    カッティングが印象的なオリジナルのリバーレースが肌を華やかに演出する、ベーシックシリーズ「23」の3/4カップブラ。イタリア製の素材を組み合わせ、快適な着用感を実現した定評のあるシリーズ。アウターにレースがひびかないように配慮された仕様や見えてもOKという感覚でデザインされたループストラップが魅力。人気のブラックの他、ピンクとサンドベージュを新色として提案している。 ブラ(B,Cカップ) 10,500円 ブラ(Dカップ) 11,000円 ショーツ 5,500円/すべてL’ANGÉLIQUE

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L’ANGÉLIQUE

デザイナー有馬智子(アリマ トモコ)。メンズ・レディースのアウターウェアブランドにて、デザイナー、パタンナー、企画を経て、2007年『カドリールインターナショナル』入社。前身ブランドの『L’ANGÉLIQUE ANGELIQUE』を立ち上げ、ディレクターに就任。2011年より『L’ANGÉLIQUE』をスタート。現在、全国の百貨店の他、海外のセレクトショップでも取り扱われ、国内外で注目されている。ランジェリーの専門家も唸らせる、日本人のアイデンティティを感じる巧緻なディテールとデザインが魅力。今秋、新宿『NEWoMAN』にオープンした『L’ANGÉLIQUE』フラッグシップショップには、ランジェリーの他、『Andrea Garland』のバスソルト、『cousu dy fil blanc』のキャンドルやサシェ、『TE HANGEL』のハーブティーなど、ライフスタイルを豊かにするこだわりの雑貨もセレクトされている。

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  • Photo: Hiroki Ota
  • Text&Edit: Naomi Miura
  • Direction: Miki Fujibayashi

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