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with JAPAN ──日本のものづくり──

くるまり、温もる
CAMEL × CAMEL



空気を含んでふっくらとさせたまま
中綿を手作業で詰め込む。
片寄り防止のため生地で挟み、
縫い合わせるミシンワークも人の手で。

軽さを追求する寝具が多い中で
フォーカスしたのは熟睡感覚。
暖かさに加え心地よい重さを追求した結果、
手の温もりが不可欠となった
キャメル毛の最高級寝具。

通常では考えられないものを作ろうとする熱意が
暖かさを目で感じられる「厚み」、
眠りを深くする「重み」につながっていく。


キャメル毛を使った寝具ブランド『CAMEL×CAMEL(キャメル×キャメル)』は、羽毛やウールが市場の中心を占める中で、雪さえ降る日本の冬により合う素材を求めてスタートした。
その企画段階から携わってきた丸三綿業株式会社 取締役の増田吉史さん(写真左)、営業企画担当の熊川祐二さん(写真右)にお話を伺った。

希少性の高いラクダの獣毛を製品化

熊川さん(以下、敬称略)「キャメルは洋服の高級素材として使われるのが一般的なので、寝具には珍しい素材かもしれません。ウール(羊毛)寝具のほうがよく知られていますが、キャメルはウールよりも吸湿性と発散性が高いんです。毛を顕微鏡で見ると、中心にいくつも空洞があります。そのおかげで軽くて空気を溜め込めるから、保温力があって通気性もいい。布団では羽毛がトップ素材ですが、キャメルは天然素材の中でも一番いろんな性能を持っているんじゃないかと思います」

キャメル毛の良さを引き出す

増田さん(以下、敬称略)「使用しているのは内モンゴルのゴビ砂漠が生息地のフタコブラクダなんですが、気温がマイナス25度からプラス30度近くある寒暖差が滅茶苦茶に大きい地で。灼熱と厳寒に適応できる進化をした動物だということが、キャメルの大きな特徴なんです。おそらく毛に空いた穴に空気を溜め込むことで、外気に影響されないように断熱もできているんだと思います」

熊川「ただ、羊に比べて採れる毛の量が遥かに少ない。フタコブラクダのコブのてっぺんのあたりと、アゴ下の部分、脚の付け根のフサフサな部分の毛がメインです。放っておくと岩などに擦り付けて落としちゃうので、採取時期も生え変わりの3〜5月頃と決まっています」

増田「通常の掛け布団の中綿は、1.2キロくらいなんです。それでどれだけ空気を含めるか、かさ高にできるかで暖かさが変わる。中綿に同じ量を使っても、羽毛布団ならば厚みを出せるけれど、キャメルでは見た目も暖かさも負けてしまう……泣けちゃうんですけど(笑)。それでもう、ある種開き直って同じボリュームが出るまで詰め込んだのが倍量の2.4キロ。原価は上がってしまうけれど、あったかさも全然違います。他社にはない、たっぷりふっくらのキャメル布団を作ってやろうという熱い想いがあります」

人の感覚でつくる

熊川「自分でも何度も中綿の量を変えて、実際に寝て試しました。布団は『軽くて温かい』が一番とされているんですけれど、最近では、少し重みを感じられたほうが精神的に落ち着くという研究もあるようです」

増田「中綿を2.4キロにすることで厚みを出したのはいいのですが、膨らみをキープさせるためには、生地で中綿を挟んで、ミシンを走らせて、サイズ通りにカットして周囲を縫う──というような、大量生産体制が取れない。袋状にした生地に中綿を一枚一枚詰めてから、ソファーのボタンのようなデザインのキルティングをミシンがけするんです。シングルの掛け布団で70箇所(笑)。言ってみれば、一枚一枚手作りしているような作り方をしています」

熊川「外側は天竺という伸縮する編み地です。羽毛ならば吹き出しが起きてしまいますが、その心配もないので使えます。通気性があって湿気がこもらないところがいい。触ったときのひんやり感もなくて、フィット感、かけたときの柔らかさもある、と使い心地のすべてに自信があります」

珍しいデザインのキルティングは、丸三綿業技術顧問の富澤 順さん(写真)の「和綴じ」技術をヒントに開発され、『TOMIZAWAキルト』と名付けられた特別なもの。中綿を押さえ込まずふっくら感を最大限に活かす、ジャパンメイドの繊細な感性と技術が生きている。

CAMEL×CAMELの寝具
日本の雪降る冬を暖かくする掛け布団のほか、
枕、敷きパッドを展開。
「敷きパッドは湿度の高い季節も爽やかで
一年中使えます」と増田さん。

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十一月 | 日本の暖・冬支度

暖かさが欲しいと感じるところに、ピンポイントで応えてくれる中綿アイテム。