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LIVING / 27 MARCH , 2020
部屋の景色を変える
春のファブリック

スタイリング / 石井佳苗
写真 / 小野田陽一

草木が麗かに輝き始めた新しい季節は、部屋の模様替えをして気分も一新したい。カーテンやラグ、クッションなどのファブリックなら、選ぶ素材や質感、色を変えるだけで、部屋の景色が一気に春へと変わる。独自のファブリック使いで人気のインテリアスタイリスト・石井佳苗さんのコーディネート術を見つけに、引っ越して間もないという新居へ。

春の風と光、そしてカーテン

石井さん宅へ入ると、目に飛び込むのはベランダ窓いっぱいに広がる緑の気持ち良い景色。
「仕事中、ついつい外の景色に夢中になってしまって、時間が過ぎてしまうことも(笑)。たまに、外の木にエキゾチックな野鳥が止まるので、ふと異国にいるような気分になります」
豊かな自然で心晴れやかになる春は、寒さで締め切った窓を開けて、部屋にも自然を取り入れたくなる。
「カーテンは厚手のものから、柔らかなリネンなどの素材に変えて、お部屋に春の風や光を取り込みます。風でゆらゆら揺らぐカーテンから、ほのかに暖かな光が差し込むと、それだけでお部屋も陽気な春の景色に」
ベランダ窓のふんわりとした美しいニュアンスのカーテンは、リトアニアに訪れた際に見つけたという大きなリネンガーゼの布。窓に突っ張り棒を設置し、そこに布をかけたシンプルなアレンジは、すぐにでも挑戦できそう。
「窓がベランダにしかないので、家全体に風や光が通るように、間仕切りにも透け感のあるカーテンを挟んでいます」
石井さんにとって“風と光”は、お部屋作りに欠かせないインテリアの一つなのだろう。

好きなものをベースに、
色や素材で春らしさを演出

「クッションやラグを全部取り替えるのは、結構大変です。気に入っているデザインのものは通年で出しておいて、その季節に合った色のアイテムを1つや2つ挿すだけで、簡単に季節感を演出できます」
奥にあるシンプルなパイピングのクッションと、石井さんお気に入りというCoral&Tuskのアライグマのクッションは通年で使っているもの。ベーシックなアイテムの中に、朗らかなピンクのクッションやブランケットをさりげなく挿し込むだけで、うきうきとするような春らしいムードに。

「ファブリックを選ぶときは素材の質感も重視しています。秋〜冬は毛足の長い温かみある生地やウール地など、春〜夏はさらっと涼しげなコットンやリネンが多いです」
ラグは毛足の長い厚みのあるものから、素足でも気持ちの良いアイテムへ。暖かみのある彩りやエキゾチックな柄が、石井さんらしいお部屋を作るポイントとなっている。

さらっと軽やかな肌触りに
日々の生活が整う

「寝具やタオルなどは、より毎日肌に触れるものなので、四季によって肌触りを重視して変えていきます。タオルなら、冬は包み込まれるような心地よさのパイル地、暖かくなる春からは、水や汗をしっかり吸収しつつ、乾きが早いワッフル地です」
肌に直接触れるからこそ、その時期にベストな素材を選ぶことで、ストレスなく快適に過ごせて、日々の心持ちも変わってくる。

タオル同様、寝具もさらっと軽やかな感触が、春の朝の目覚めを気持ちよくしてくれそうな素材に。
「仕事で訪れた台湾で取り入れられていた畳の生活に感化し、新居に畳を設けたため、現在はそこに布団を敷いて寝ています。そのため日中は寝具を仕舞っていてベッドメイキングがなくなったので、デザインはシンプルです! 」
そう語りつつも、洗練されたフリンジのタッセルとラインのデザインが爽やかで春らしく、細かなところまで石井さんのセンスが光っている。

今回お邪魔した石井さんの新居は、今も恋しくなってしまうほど幸せな気分になれるご自宅で、すぐにでも真似したい術がたくさん。
そんな居心地良い空間は、四季の自然や気候に調和したファブリック使いから生み出されているのかもしれない。
石井さんのお部屋をヒントに、今週末は部屋に置いてあるファブリックを見直してみてはどうだろう。

/ PROFILEプロフィール

石井佳苗

インテリアスタイリスト

株式会社カッシーナ・イクスシーに勤務後、インテリアスタイリストとして独立。以後、雑誌、書籍、広告など幅広い分野で活躍。自身のアトリエや自宅をオリジナリティのあるDIYでカスタマイズする様子を紹介した書籍『Love customizer 1・2』などの著書がある。 また2019年9月に自身責任編集のムック本『Heima -これからの住まい支度-』を上梓。インテリアの他、衣食住のライフスタイル提案を中心に、暮らしまわりのスタイリングを得意とする。また、NHK Eテレ『趣味どきっ!家で楽しむカフェスタイル』の講師なども務める。