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BRAND STORY 002 スローン SLOANE

国内をはじめ、世界のファッションシーンを牽引する人気ブランドの原点から未来のヴィジョンまで、ブランドのアイデンティティを紐解く『BRAND STORY』。連載第2回目にご登場いただいたのは、ファッション感度の高い大人の女性を虜にするニットブランド、『SLOANE』のディレクター小峰明彦さんとヴェンティウーノ代表の大貫 雄さん。物作りのこだわりとコレクションの魅力に迫ります。

共通の趣味を通して、ブランドを立ち上げる

シルクやカシミヤなど上質な素材のニットをデイリーウェアのベーシックとして確立させた『SLOANE』。海外ブランドのディストリビューターとしてヨーロッパと日本をファッションで繋ぐ小峰明彦さんと、カシミヤを始めとしたニットの原材料や製品の輸入・販売をおこなっている株式会社ヴェンティウーノ代表でありニットのスペシャリスト、大貫 雄さんがタッグを組み、2016年秋冬コレクションからブランドをスタートする。

きっかけは今から約5年前。お二人の共通の趣味、ゴルフをしていた時に、“ストレスを感じることがない着心地のいいニット”って意外とないよね、という話題が出たことからだった。「元々、ニットが好きだったのですが、僕の体格的にサイズの問題もあり、ベーシックな物で気の利いた物がないなと感じていました(小峰)」。「ヴェンティウーノはニット専業からスタートした会社で、いろんな糸メーカーさんや工場さんと物作りをしてきましたので、小峰さんが作りたいと思い描いた物を具現化していくことは、そんなに難しいことではないと思いました(大貫)」。

通常、ニットを作る場合、専門商社などに糸や工場の手配を依頼して制作することが多い。しかし、長年にわたりニットに携わってきた大貫さんは自社でイタリアなど海外から糸を仕入れ、良いと思ったニッターのところへ足を運び、そこの職人さんと直接話をして物作りをするという。「作り手との距離がものすごく近いなと感心しました。普段、仕事で海外ブランドに関わっていて、伝統や歴史などお金では買えない良さを実感している反面、物を作る場合の距離感を感じていました(小峰)」作りたい物を小峰さんが発案し、大貫さんがまとめていくというパートナーシップを築くことによって、『SLOANE』の物作りが始まっていった。

2018年秋冬シーズンのコレクションが並ぶ『SLOANE』ショールーム。『SLOANE』のディレクター小峰明彦さん(左)とヴェンティウーノ代表、大貫 雄さん(右)は、今もゴルフ仲間という。関係の良さが空気感からも窺える。
2018年秋冬シーズンのコレクションが並ぶ『SLOANE』ショールーム。『SLOANE』のディレクター小峰明彦さん(左)とヴェンティウーノ代表、大貫 雄さん(右)は、今もゴルフ仲間という。関係の良さが空気感からも窺える。

2018年秋冬シーズンのコレクションが並ぶ『SLOANE』ショールーム。『SLOANE』のディレクター小峰明彦さん(左)とヴェンティウーノ代表、大貫 雄さん(右)は、今もゴルフ仲間という。関係の良さが空気感からも窺える。

こだわりから生まれる、着心地の良さ

“自分たちが着ていて、心地良い物を作りたい”という気持ちから、ニットに特化した物作りを始めた『SLOANE』。「好きでよく買っていた海外のニットブランドがあるのですが、ある頃から本国で展開している物より着丈が短く、フィット感のあるデザインに変えた物が国内で並ぶようになり、価格にも疑問を持つようになりました。僕は“ニットは脇役”だと考えていますので、ちゃんとしたサイズ感で手に取りやすい価格の物を女性にも男性にも着てほしい。そんな思いから、ベーシックでユニセックスなデザインのニットを提案しています(小峰)」。

サイズ感が合っていても、動きによって生じるストレスがなるべくないように、定番的なニットの裾と袖口にこだわりの工夫を入れている。「裾や袖口のリブが着ているうちに伸びてしまわないように、キックバックのあるゴムでテンションを持たせています(大貫)」。「身幅も着丈もすべて計算した構造で、崩れず、身体にちゃんと止まるようなサイズ設計をしています(小峰)」。

そして、こだわりのポイントが多く含まれたカシミヤやラムズウールの上質ニットを、手に取りやすい価格の物へと調整していく。「デイリーに着られて、なおかつ脇役になるよう、高価すぎず寸止め的な絶妙な上質糸を選ぶようにしています(小峰)」。「原価を下げることは工程を減らせば可能だと思いますが、基本的にそういう考えと真逆のことをしています。工場さんには工賃が上がっても工程を端折らないでくださいとお願いしています。工場さんとの長年の信頼関係と原材料を直接仕入れることで適正価格を実現しています(大貫)」。

定番でありブランドの象徴的なアイテムでもある、天竺クルーネックニット。裾と袖口にキックバックのあるゴムを入れてテンションを持たせているため、すぐに伸びきってしまわない構造になっている。スモーキーブルーとキャメルはストデパ限定の別注カラー。
(左・中央)別注カラークルーネックニット23,000円 (右)クルーネックニット23,000円/すべてSLOANE

新作から定番まで、広がっていくコレクション

ブランドをスタートした、2016年秋冬からわずか数シーズンの間に全国の大手セレクトショップや百貨店などで取り扱われるようになり、シーズンを重ねるごとにアイテム数も少しずつ増えてきている。

「ここ数シーズンで新作の他、定番的な商品が確立されてきました。例えば、ブランドの象徴的なアイテムでもあるベーシックな天竺のクルーネックやVネック、ダブルフェイスのクルーネックなどは、春夏ではコットン、秋冬ではウールというように、シーズンで素材を変え、カラーバリエーションに変化をつけて提案しています(小峰)」。

また、天竺のようにプレーンなニッティングの物には、『SLOANE』らしいワンポイントの主張を持たせている。「ブランドのアイコンのような感覚で、背中にタック編みを入れています。同色ですので見えにくいかもしれませんが、着るとさり気なく主張してくれますよ(小峰)」。そして、先シーズン人気があった、ジーロンラムズウール×カシミヤのタートルネックも今シーズンは定番的に展開しているという。

「このアイテムは、前身頃と後身頃が天竺で、袖の部分があぜ編み、襟はリブ編み、というふうに編み地とゲージを変えてテクニカルな糸使いにしています(小峰)」。「女性が着ると、身頃と同じ編み地のままだと袖がもたついてしまう傾向がありますが、袖をあぜ編みにすることで、もたつかずキュッと締まって、後ろ姿が非常にスマートに見えるというのが特徴です(大貫)」。その他、アウターとしても使えるあぜ編みのジップアップ、天竺クルーネックと好相性のインナーに使えるTシャツ、凹凸感のあるバルキーなフィッシャーマンや、スキーヤーをイメージしたライン入りのニットなど、バリエーション豊かなコレクションになっている。

表にウール、裏にポリエステルを用いて二重編みした肉厚なダブルフェイスのクルーネック。試行錯誤を経て、一番膨らみがあり、着心地が良く、ボクシーなイメージを作りやすかったウールとポリエステルのコンビネーションに落ち着く。
別注カラー二重編みクルーネックニット 25,000円/すべてSLOANE
表にウール、裏にポリエステルを用いて二重編みした肉厚なダブルフェイスのクルーネック。試行錯誤を経て、一番膨らみがあり、着心地が良く、ボクシーなイメージを作りやすかったウールとポリエステルのコンビネーションに落ち着く。
別注カラー二重編みクルーネックニット 25,000円/すべてSLOANE

表にウール、裏にポリエステルを用いて二重編みした肉厚なダブルフェイスのクルーネック。試行錯誤を経て、一番膨らみがあり、着心地が良く、ボクシーなイメージを作りやすかったウールとポリエステルのコンビネーションに落ち着く。
別注カラー二重編みクルーネックニット 25,000円/すべてSLOANE

天竺などプレーンなニッティングには、『SLOANE』らしさが出るように背中にタック編みのワンポイントを加えている。
天竺などプレーンなニッティングには、『SLOANE』らしさが出るように背中にタック編みのワンポイントを加えている。

天竺などプレーンなニッティングには、『SLOANE』らしさが出るように背中にタック編みのワンポイントを加えている。

ジーロンラムズウール×カシミヤのタートルネック。前身頃と後身頃が天竺で、袖の部分があぜ編み、襟はリブ編み、というふうに編み地とゲージを変えてテクニカルな糸使いになっている。パープル、オフホワイト、キャメルはストデパ別注カラー。
別注カラータートルネックニット 29,000円/すべてSLOANE

国内生産にこだわって、ニットの良さを伝えていきたい

ところで、ブランド名はロンドンにある“SLOANE”というストリート名が由来だそう。

「職業柄ロンドンへ行く機会がありますので、馴染みのあるストリート名にしました。まっすぐに伸びた広い道沿いに有名ブランド店やホテル、公園、住宅地、広場などがあり、歩くととても気持ちいいんです。響きもよくて覚えやすいかなということで、深い意味は特に持たせていません(小峰)」。直感的なセンスが光るブランド名をとってみても、馴染みのあるロンドンからインスピレーションを受けた“感覚”が物作りに反映されているように感じる。

「やはりイギリスは機械式ニットの発祥の地でもありますので、こじつけかもしれませんが、ニットブランドということでイギリスの影響を受けていると思います(小峰)」。 続けて、将来的な展開についてこう語る。「国内で生産することにこだわったニットブランドとして、ニットの良さをもっと知っていただく活動を続けていきたいですね。そして、いつか自分たちが着たいと思えるニット以外のアイテムを作りたくなったら、新たに加えていきたいと思っています(大貫) 」。 「時期などいつになるかは全く決めていませんが、そのためには生産背景をしっかり整えないと『SLOANE』らしくないと思っています(小峰)」。

売れるかどうか分からないブランドのスタート時期から、快く協力してくださった工場さんや裏方に徹する多くの優れたスタッフに感謝をしながら、生産背景を整えて活動を続けていきたいと語るお二人の人柄に、ブランドの魅力とこだわりのある丁寧な物作りのマインドが現れている。

ロンドンの“SLOANE STREET”からブランド名が生まれた。人気ブランドやホテルが立ち並び、人が行き交う賑わいもありながら落ち着いた住宅街も広がる。

定番の天竺クルーネック。襟元から少しだけ見えるように設計されたTシャツは秋冬も展開される。ニットに合わせて、サイズは1~5まで展開している。(写真はメンズサイズ)
クルーネックニット 27,000円/SLOANE
定番の天竺クルーネック。襟元から少しだけ見えるように設計されたTシャツは秋冬も展開される。ニットに合わせて、サイズは1~5まで展開している。(写真はメンズサイズ)
クルーネックニット 27,000円/SLOANE

定番の天竺クルーネック。襟元から少しだけ見えるように設計されたTシャツは秋冬も展開される。ニットに合わせて、サイズは1~5まで展開している。(写真はメンズサイズ)
クルーネックニット 27,000円/SLOANE

カラーバリエーション豊富な糸見本帳。長年お付き合いのある工場さんやスタッフとの信頼関係で物作りが進んでいく。
カラーバリエーション豊富な糸見本帳。長年お付き合いのある工場さんやスタッフとの信頼関係で物作りが進んでいく。

カラーバリエーション豊富な糸見本帳。長年お付き合いのある工場さんやスタッフとの信頼関係で物作りが進んでいく。

ショールームに置かれていた小峰さんのラップトップ。白地に黒字のシンプルなロゴステッカーからも、SLOANEの洗練されたイメージが伝わってくる。
ショールームに置かれていた小峰さんのラップトップ。白地に黒字のシンプルなロゴステッカーからも、SLOANEの洗練されたイメージが伝わってくる。

ショールームに置かれていた小峰さんのラップトップ。白地に黒字のシンプルなロゴステッカーからも、SLOANEの洗練されたイメージが伝わってくる。


SLOANE EXCLUSIVE

2018 Autumn&Winter ストデパ限定カラー発売

/ INTRODUCING BRANDブランド紹介

SLOANE

スローン

海外ブランドのディストリビューター小峰明彦(コミネ アキヒコ)さんとヴェンティウーノ代表の大貫 雄(オオヌキ タケシ)さんが、「自分たちが着ていて、心地良い物を作りたい」という思いから、2016年秋冬にブランドをスタートする。細かいニュアンスを作り手に直接伝えることで、イメージ通りの完成度に繋がるという考えのもと、ほとんどの製品が日本で生産されている。ストレスを感じることなく、着心地の良さを体感してもらうために、できるだけ立体的になるよう工夫され、普段使いのコーディネートとして重宝するよう、ベーシックな物をメインとしたコレクションを展開している。サイズは1から5までの展開で、ユニセックスなデザインのため、女性でも男性でも好きなサイズを選んで楽しむことができる。また、ダブルフェイスのニットは、感度の高いファッション玄人たちをも虜にする注目のヒットアイテム。お見逃しなく。