BRAND STORY

011 ラシュモン

Lâchement

国内をはじめ、世界のファッションシーンを牽引する人気ブランドの原点から未来のヴィジョンまで、ブランドのアイデンティティをストデパらしく紐解く『BRAND STORY』。連載第11回目はミドルエイジの女性に向けたエレガントなコレクションが魅力の『Lâchement』のディレクター織田奈穂子さんにご登場いただきました。

やりたいことの最終形が
ブランドの立ち上げだった

独自のスタイルを持ち、ファッショナブルなリアルライフを楽しむ大人の女性が憧れるブランド『Lâchement』。2017年秋冬コレクションからブランドをスタートして、わずか数シーズンの間にラグジュアリーブランドが並ぶ品格あるセレクトショップで取り扱われるようになり注目を集めている。そんなファッション玄人を虜にするディレクターの織田奈穂子さんは、もともと一般企業で勤務していた時期があり、その後、ずっと憧れていたアパレル業界に入ったそう。
「アパレルに入ったのは30代手前なんです。それまでは、輸出入に関わる商社に勤めていたのですが、ずっとアパレル業界に憧れていたということもあったので、当時の転職雑誌を見て応募してみたところ、ベイクルーズの『DEUXIÉME CLASSE』で採用され、ディストリビューター、バイヤー、MDと合わせて15年間くらい勤務しました。その後、代官山のセレクトショップ『LUSTHEQUE』でディレクションから買い付け、オリジナルの企画など全般に関わらせていただく機会を経て、独立後にブランドを立ち上げたという形です」
バイヤーやMD、ディレクターという立場で経験を重ねていくうちに、自身のブランドの構想が生まれていったという。
「最終的にやりたいことということで、ブランドを立ち上げられたらいいなという思いがありました。バイイングで経験を積んだ後に、MDとして『DEUXIÉME CLASSE』のオリジナル作りにも関わることになったのですが、それがモノ作りの深さみたいなものを知る機会になりました。当時は今よりももっとインポートの割合が高く、仕入れが充実していた時期で、例えば、イタリアに行って靴を作ったり、生地から作るということも学ばせていただいたり、海外でモノを作るということを見ていて面白いなって興味が湧いたのを覚えています。そこですね、きっかけは。作るって深いなって、ちょっと感動したというか。それからですね」

気になるところをすっきり隠せるラインとエレガントなデザインが魅力の『Lâchement』のベストセラーワンピースを着用してご登場いただいたディレクターの織田奈穂子さん。耐洗濯性が強く、へたり難い縫い目の詰まった生地で、大切に使えば100年くらいもつと言われるほど丈夫なリネンのワンピース。リピートできない貴重な素材のためこの生地での提案は今シーズンまでになるそう。ぜひお早めに。ワンピース 63,000円/Lâchement

2019年春夏コレクションのテーマは、“GEORGIA O’KEEFFE”

ブランド名の『Lâchement』はフランス語で“ユルく”を意味する言葉。メンズライクなテイストを女性ならではのエレガンスと捉え、それに今の気分をプラスすることで、敢えてユルく、そして洗練された着こなしを楽しんでほしいという思いを込めて、“Play to Elegance”をコンセプトにコレクションを展開。2019年春夏では、アメリカの前衛芸術の先駆者と言われる、GEORGIA O’KEEFFE(ジョージア・オキーフ/画家)の写真集からインスピレーションを受けた、ニューメキシコの空気感漂うアイテムがラインナップされている。
「今シーズンは、アメリカ人画家のジョージア・オキーフをテーマにしています。友人の家でたまたま見た写真集の中の彼女は、晩年、身に纏っているものは黒っぽくて暗いものが多いのですが、シルバーのベルトやアクセサリーを際立たせるような着こなしの感じが好みなところがあり、今回のコレクションでは黒をたくさん入れて、その対比みたいな感じで、雨の少ない地域特有の空の青さや鮮やかな色、ニューメキシコのラグを連想するようなリネンのストライプなどをプラスしています。ネイティブ感が強いというよりは『Lâchement』なりのエレガントさとして提案しています」
これまでのコレクションの中で一番色をプラスしたシーズンというだけあり、高密度で織り上げたコットンを別注カラーで生地染めしたイエローのワンピースや、オーガンジーのハリとドライタッチ感を加えたピンクのワンピース、柔軟性とドレープ感が楽しめるようにストレッチを加えたオレンジのギャバジンシリーズなど、鮮やかな色調のものが目にとまる。ジョージア・オキーフが身に纏っている黒いワンピースや白いシャツの世界観にビビッドなカラーをプラスしたような、春夏シーズンらしい鮮やかで涼しげなコレクションを展開している。

イエローワンピース
背中が美しく見えるように絶妙なバランスで後ろが開くデザインのカシュクール型のワンピース。高密度で織り上げたタイプライターコットンをイエローで生地染めした別注カラー。ワンピース 56,000円/Lâchement

オーガンジーシルクワンピース
後ろのふたつのリボンを結ぶことでふわっと背中が見える涼しげなデザインのワンピース。ドレッシーになりがちなオーガンジー素材に洗いをかけて甘すぎない仕上がりにしている。ワンピース 68,000円/Lâchement

リネンストライプワンピース
織田さんが着用しているブラックと同型でデザイン性の高いストライプのリネンを用いたワンピース。仕上げに洗いをかけることでリネンの清涼感にドライタッチもプラスしている。ワンピース 62,000円/Lâchement

ギャバストレッチワンピース
ワンピースと同素材のボトムを一緒に着用すると脇だけが少し肌見えする仕掛けになっている。大人の女性の品を残しつつ、美しく夏の肌見せができるように計算されたデザイン。ワンピース 39,000円/Lâchement

スカート
蹴回しがしっかり取られているためボタンを閉じたままでも快適に履けるスカート。ウエストでぴったり合わせてギャザーのふんわり感を際立たせるようなすっきりしたスタイリングがオススメ。スカート 38,000円/Lâchement

ノースリーブシャツ
タイプライターの特徴であるパリッとしたハリを残しながら加工を加えることでニュアンスを出したノースリーブのブラウス。リボンは気分によって前でも後ろでも結べる仕様になっている。ブラウス 34,000円/Lâchement

慌ただしい日常に欠かせないエッセンス

“パリは永遠に憧れて止まない街”というディレクターの織田さん。伝統と革新が息づく歴史ある街に想いを馳せるようになったのは、仕事で行く機会が多い街ということがきっかけだったそう。
「バイヤーの仕事を始めてから行く機会が一番多い街になったことがパリへの憧れに繋がったと思うのですが、海外はパリに限らず、イタリアなども大人がすごく素敵な国だなという印象があります。パリに初めて行った時はまだ若かったのですが、大人が大人として生きる場所と文化がある街だと感じました。大人の女性の立ち振る舞いなどを含めた全般的な憧れが、私の中では若い時に見たパリにあったという気持ちが強いですね」
今も仕事で定期的にパリやミラノなどヨーロッパを回ることが多く、この取材の直前にも海外出張に行っていたという慌ただしい日々を送る織田さん。そんな忙しさを感じさせない、エレガントで穏やかな印象の佇まいをキープするための努力や必需品、リラックスする秘訣など気になるところを尋ねると、意識していることはあまりないという。
「思い当たるのは、毎日欠かさずバッグに入れている『ROC』の保湿リップでしょうか。パリに出張で行った時は毎回サン・ジェルマン・デ・プレの『PHARMACIE』でまとめ買いをしていますし、毎日必ずつけています。それと『NUXE』の香りや『LAURA MERCIER』の赤いリップも、周りの人から私のイメージだと言われるほど、ずっと長く愛用しています。あとは、なんと言っても犬の存在ですね(笑)。ペットショップで可愛いなと思っていた子犬を偶然友人も同時期に見ていて、私の自宅では飼えないということもあり、今、その友人宅で飼っているのですが、私の犬と思われるほど溺愛しています。忙しい時でも二日に一度は会いに行っていて、それがとてもリラックスできる時間になっています」
気に入ったものをずっと愛用し続ける流儀や、身近な人や愛犬との時間を大切にするバランス感覚など、気負わずに何気なくフランス的なライフスタイルを送っているところが、織田さんの魅力に繋がっていると感じる。
最後に今後について伺うと、近い将来、ラインを分けて『Lâchement』の考えるカジュアルの提案をする予定だという。マスキュリンでエレガントなスタイルを構築している『Lâchement』からどんなカジュアルラインが発表されるのか、今後益々、目が離せそうにない。

乾燥対策のため普段から『ROC』のリップクリームで保湿したり、出張の時は持っていくという『NUXE』のオイルで髪の毛の乾燥対策などもしているそう。いつも持ち歩いている『NUXE』のパフュームや『LAURA MERCIER』の赤いリップは周りの人に織田さんのイメージと言われるほど長年の愛用歴。

/ INTRODUCING BRANDブランド紹介

Lâchement

ラシュモン

デザイナー織田奈穂子(オダ ナオコ)。株式会社ベイクルーズ『DEUXIÉME CLASSE』でバイヤー、MDを務めた後、セレクトショップ『LUSTHEQUE』のディレクターを経て独立。2017年秋冬コレクションよりウィメンズウェアブランド、『Lâchement』をスタート。肩の力を抜いて毎日着ることができるようにという願いを込めて、フランス語で「ユルく」という意味の単語をブランド名とし、ミドルエイジをメインターゲットとしたマスキュリンでエレガントなコレクションを展開している。https://lachement.jp/