BRAND STORY

012 エリン

ELIN

Trinity hand bag
ジュエリー好きなディレクター榎本さんの手元をイメージして作成した真鍮のハンドルとナットがポイントのハンドバッグがさりげなく並ぶ『ELIN』ショールーム。 バッグ 48,000円/ELIN

国内をはじめ、世界のファッションシーンを牽引する人気ブランドの原点から未来のヴィジョンまで、ブランドのアイデンティティをストデパらしく紐解く『BRAND STORY』。連載第12回目はマスキュリンをベースにエレガントでナチュラルなエッセンスをプラスしたデザインが魅力の『ELIN』ディレクター榎本実穂さんにご登場いただきました。

若い頃の決意を貫き、ブランドをスタート

豊富な経験から養われた審美眼を持つ大人の女性に選ばれるブランド『ELIN』。2015年春夏コレクションからブランドをスタートし、以降、年4回のペースでコレクションを発表している。ブランドを立ち上げる以前はハイブランドが並ぶ都内某セレクトショップのバイヤーだったという、ディレクターの榎本さん。ブランドを始めるきっかけは、若い頃のある決意からだったそう。
「もともとは、小さい頃からファッション好きということもあり、ご縁あって若い頃から外資ブランドで販売、MDをしていました。その後、ワンブランドだけではなく他のブランドも見てみたいという気持ちが徐々に生まれ、多くのブランドを取り扱うセレクトショップで勤務することにしました。入社後はバイヤーとして一通り経験できたらという思いと、一方で自分の中では33歳の時に何か違うステップに進もうと若い頃に決めていた思いもありましたので、入社から6年間というリミットを意識して、その短い期間にギュっと網羅できたらいいなと思っていました。若い頃は“何か”という部分は明確ではなかったのですが、ワンブランド、そしてセレクトショップを経験していくうちに、じゃあ次は自分のブランドかな?という感じに、ステップのひとつとして始めたのが『ELIN』です」
職業柄、様々なハイブランドを見て、それを手にしてきても、昔から好きなものは変わらずベーシックなものでありエッセンシャルなもの。そして、女性の枠を超えた考え方やこだわりが男性目線であるということから、ブランド名は、“ESSENTIAL”の「E」と“ MASCULINE”の「LIN」を合わせた造語の『ELIN』にしたのだそう。そのブランド名通り、マスキュリンをベースにエレガントなエッセンスをプラスしたコレクションを展開している。

Jacquard drape skirt&Jacquard gown
光沢と凹凸が美しいジャカード素材を用いたドレープスカートに表情のニュアンスが異なるジャガード素材のガウンを羽織ったディレクターの榎本実穂さん。ジュエリー好きでもあるというだけあり、手元のアクセサリー使いも素敵。 トップス 25,000円 スカート 35,000円 サンダル 30,000円/すべてELIN

2019SS pre collection
”Delicate powerfulness”

マスキュリンをベースにしていても女性らしさは譲れない。ただ女性らしいだけではなく、メンズのテーラード技術を取り入れることで、男性から見ても素敵だと言われるような、仕立てがよく上品であり洗練されたコレクション作りを目指し、年4回のコレクションでは毎回テーマも変えているというこだわりがある。
「意図的にプレとメインのテーマを変えているんです。バイヤーの仕事をしていた頃を振り返ると、どのブランドもプレは前シーズンのメインを引き継ぐようなものとベーシックな定番ラインで構成している印象でした。同じように『ELIN』で展開しても飽きちゃうんじゃないかなという部分と、私自身にトライしたいことがたくさんあるため、ブランドの根幹はぶらさず、4回ともテーマを変えて、定番もほぼなく全て新しいものを提案しています」
2019年春夏プレのテーマは”Delicate Powerfulness”。
「ヨーロッパの肉体彫刻美を意識して作ったコレクションです。彫刻は石で作られていますが、どこか柔らかさがあり、膨よかで曲線が美しい。それと、冷たい石のはずなのに、ちょっとしっとりしているというか湿気感がある印象もあります。そんな肉体彫刻のようにデリケートな肌の質感だったり、曲線美みたいなところを表現しています」
自然なドレープ感が出るようにギャザーを配すことで曲線美を演出したジャージドレスや、しっとりとした透け感のある生地とネップの入った生地をレイヤードしたVネックのタンクトップなど、肌の質感や曲線美を表現したアイテムの他、プレコレクションでのみ発表しているという小物類では、ジュエリー好きな榎本さんの手元をイメージして作ったという、ゴールドとホワイトゴールドのコンビハンドルが印象的な新作バッグも登場するなど、見逃せないアイテムが豊富に揃う。

Lace combi dress
スポンジッシュで垂れ感とドレープ感が見えるような素材にレースを挟み込んだドレス。袖をゴムで止めてネックにギャザーを寄せることで裾に向かって流れるように美しい肉体美のようなドレープが生まれる。 ドレス 48,000円 バッグ 48,000円/ともにELIN

Jersy dress
透け感とドライタッチな表面を活かしたジャージ素材のドレス。裾部分に入れたギャザーで自然なドレープが生まれることで彫刻美や曲線美を演出。持ち上げてチュニック丈のように着用することも可能。 ドレス 51,000円/ELIN

Solid layered tank
素肌と馴染みのいい透け感のある生地とネップの入った生地をレイヤードしたVネックのタンクトップ。バストトップから裾にかけてフレアになったデザインで動いた時の軽やかな揺れとシルエットが美しい。 タンクトップ 23,000円/ELIN

Solid bell skirt
動いた時に軽快な揺れを生み出す贅沢に入ったプリーツが特徴のスカート。透け感のある生地で裾を2重にしているためコントラストを楽しむことができる。タンクトップとのセットアップがオススメです。 スカート 30,000円/ELIN

Satin combi slip camisole
チュールとマットサテンのコンビのキャミソール。深くVに開けたフロントと曲線にカットしたバックがセンシュアルな雰囲気を演出。キャミソールはデビューコレクションから続くブランドのキーアイテム。 キャミソール 16,000円/ともにELIN

2019SS main collection ”Daphne”

『ELIN』のコレクションは豊富な経験から生まれるアイディアに加え、ふとした発見をもとにルックをイメージすることから制作が始まるという。
「最初に今の気分や自分がしたい気分のルックイメージがあるんです。私は気に入ったものはずっと長く着るタイプで、10~20年前に無理して買ったものを今も大事にしているのですが、自分のクローゼットを見ていると、これにこれを足したら今の気分だなとか発見があるんです。今シーズンだと、例えば、スケスケのガウンに同じ感じのジャガードで素材の違うセットアップ見えとか、デザインや着丈が具体的ではないまでも、なんとなくルックに繋がる発見をした時にメモするようにしています。その他、インスピレーションの旅に出ることもあるのですが、その時に出会った修道院の人が着ている洋服の生地感や鉄扉、建築などから影響を受けることもありますね」
2019年春夏メインコレクションでは、枯渇した世界でも輝き愛された女性”Daphne”をテーマに掲げている。
「ダフネはギリシャ神話に出てくる女神の名前で神話の中で彼女は自ら月桂樹になる道を選んだストイックな人ですが、月桂樹になってもずっと愛され続けた女性でもあります。現代の女性は枯渇した世界で生きているけれど、お洋服の力をプラスすることで、輝く女性でいてほしいという思いからテーマにしました」
砂漠の遊牧移民の家、ゲルをインスピレーションにしたドレスや、マットな素材でパンツ全体をプリーツにしたワイドパンツの他、砂漠の枯渇した土地に一滴の雫が落ちたようなしっとり感のある素材、乾いた大地をイメージしたハリとコシのある素材などを用いて、今まで以上に揺れる感じやドレープ感を取り入れたドラマチックな仕上がりのアイテムを展開している。

Paneled dress
砂漠の遊牧移民の家、ゲルをインスピレーションにしたドレス。カッティングパターンでモード感のあるすっきりしたシルエットを実現。蛇腹仕様のショルダーは肩先を包むように扇形にひらくのがオススメです。 ドレス 45,000円/ELIN

Twill tank&Twill drape skirt
裾のアシンメトリーがさりげないニュアンスを生み出すエレガントなタンクトップとドレープがたっぷり入ったストレートスカートを同色で合わせると女性らしいヘルシーな印象のスタイルに。スカートはディレクター榎本さんが着用しているスカートの素材違い。 タンクトップ 25,000円 スカート 35,000円/ともにELIN

Jersey gathered tank
たっぷり入れたドレープがきれいに見えるようにジャージ素材にこだわったという、ブラウスのようなジャージアイテム。Vネックのヒモを緩めてキャミソールと重ね着したり、閉めて一枚で着ることも可能。 タンクトップ 21,000円/ともにELIN

Pleated pants
しっとりとしたマットな素材を用いてパンツ全体をプリーツにしたロングスカートのようなワイドパンツ。ウエストやお腹周りはすっきり見えする仕様になっている。プリーツ加工のフルレングスパンツは足長効果あり。 パンツ 43,000円/ELIN

/ INTRODUCING BRANDブランド紹介

ELIN

エリン

ディレクター榎本実穂(エノモトミホ)。都内セレクトショップにてコレクションブランドを中心としたバイヤーを経験後、2015年春夏コレクションより『ELIN』をスタート。マスキュリンをベースにエレガントかつナチュラルなエッセンスをプラスしたデザインがコンセプト。メンズライクなディテールでありながら譲れない女性らしさにこだわったコレクションを展開している。
https://elinjp.com/