腟をいたわる Care of your Vagina

月経、出産、閉経……女性のライフイベントにも大きく関わる腟まわりのパーツ。腟やデリケートゾーンについて、どこまで理解できていますか? 普段、自分の目で確かめることができない部分だからこそ、しっかり向き合って身体を整える第一歩にしてみては。

ここではラブライフアドバイザーOliviAさんが、女性の健康を維持するための腟やデリケートゾーンについての正しいケアをレクチャー。さらに女性が抱える悩みや疑問にも答えていただきました。大人の性教育、スタートです。

【OliviAさんのプロフィールはこちら】

────女性のライフイベントにも関わってくる腟ですが、“身体の大切な一部である”とわかっているのに、知識を持っている女性って少ないのではないかと思います。まず腟と健康の関係について教えてください。

女性の人生においてだんだん腟を意識し始めるのが、初潮前の女性ホルモンが分泌しおりものが出始める性成熟期の入口。幼少期は腟内が中性に傾いていますが、性成熟期には酸性に傾いて自浄作用が働き、おりものが増え始めます。おりものは病原体などの侵入を防ぎ排出する、女性の健康を維持するために欠かせないものです。

────腟の健康状態を把握するために、チェックすべきことは?

月経の周期が安定していると、排卵日や月経前後でおりものの色や粘度などの変化がかなりみられます。ナチュラルファミリープランニングといって、おりものの状態で排卵日を見極める方法があり、妊活のために観察している人もいますよね。おりものの量は月経が終わったあとは少なく、排卵日に向かって増えていく。そして、排卵日前後は子宮頸管(子宮の入口)から透明でかなり糸を引く状態の子宮頸管粘液がおりものとして排出されます。それが出ているとそろそろ排卵日かなと感じることができます。そうやって注意深く自分のおりものを観察することも腟ケアのひとつなんですよ。

────量や粘り気の変化、あまり気にしていませんでした……。おりものの状態をしっかり観察するのは簡単ですぐに始められそうですね。

そうなんです。きちんと観察していると排卵日前後でかなり変化しているなあ、と気付くことができます。
あと匂いを気にされる方も多いのですが、腟内には常在菌がいて、その中に病原体から守るために酸性に保つデーデルライン桿菌という乳酸菌がいます。ヨーグルトやチーズなどの乳製品のような匂いを心配される方もいますが、強すぎずほんのり甘酸っぱい匂いがするのは腟が健康な状態であると言えることが多いです。月経前後とは別で通常時よりも量が増えたり、匂いや色の変化があったりすると身体のSOSが出ているサインの可能性があることも。また、カッテージチーズ状だったり黄色や淡い灰色をしていたら、腟炎や性感染症などの場合もあります。量や色、匂いに少しでも不安をお持ちの方は、クリニックに行ってみましょう。

おりものの観察以外では、自分のデリケートゾーンの形状や肌の状態などを手鏡で観察するのもおすすめです。例えば、顔にニキビが出たらすぐスキンケアを始めますよね。毎日鏡で顔を見るように、デリケートゾーンの状態も日頃からチェックしておくと肌の異常などを発見できます。最近では、自分のデリケートゾーンを見るために作られた専用の手鏡もあるんですよ。

────デリケートゾーンを見る専用の鏡があるなんて! 感動しました。OliviAさんのお話を聞くと、スキンケアなどを始めるよりまず先に「自分の腟をよく観察しないと」と使命感が生まれました。

自分の腟の状態やデリケートゾーンの形状を知らない、見たことがないという方がまだまだ多いので、まずは見ることから始めてほしいと思っています。そして自分の腟の状態や形状をもっと知ってほしい。それが腟ケアの第一歩です!

────では、デリケートゾーンの正しいケアについて教えてください。

入浴時にシャワーを当てるだけで終わってしまうの方も多いですが、デリケートゾーンは複雑な構造をしているので、気づかないうちに外陰部の溝などに汚れが溜まってしまいやすい場所です。日中はショーツなどで蒸れやすく、汚れが匂いの原因にもなります。デリケートゾーンが不衛生だと、性行為の際パートナーに不潔な部分を触れさせたりしてしまうことに。自分のことはもちろんパートナーのことも考えて、専用のソープを使いながら自分の指で溝の間まで細かく丁寧に洗うことをおすすめします。ソープを使用する際は、原液を腟内まで塗り込んだりしてしまうと常在菌を一緒に洗い流してしまう可能性もあるので、しっかり泡立てて外陰部を優しく洗いましょう。自分のデリケートゾーンの構図をわかっていると汚れが溜まりやすい部分もわかってきます。日頃から手鏡などでデリケートゾーンを観察していることがここでも役立ちますよ。

────どんなソープ、保湿剤がおすすめですか?

フォーム状で出てくるソープは泡立てる手間が省けるのでおすすめです。保湿は、その日の気分で好きな香りやオイルのものを選んだり、ホワイトニングのクリームのものを選んだりしています。
わたしが実際に愛用しているのは、Waphytoのデリケートゾーンケアライン。植物成分を厳選し配合していて、その上質さと高級感ある香りが気に入っています。デリケートゾーンはお顔と同じように加齢とともに肌がたるんだり黒ずんだりするので、ケア用品を吟味してお手入れする場所だと思うんです。パートナーがいるいないに関わらず、見えない部分だからこそきちんとケアする。すると自分を大切にしているという自己肯定感にもつながって、内側から女性としての自信も出てくると思います。

【Waphytoについてはこちらから】

────日常の生活の中で気をつけるべきことはありますか?

日中はサイズの合わない下着を着けてしまうと、締め付けで圧迫されてしまうので、サイズの合った下着を選びましょう。またトイレの際、トイレットペーパーで強く拭き取ってしまうと外陰部の必要な油分まで拭き取ってしまい、肌の乾燥の原因になってしまうことも。さらに摩擦刺激がかかってしまうので、優しく拭き取るのが◎。これからは暮らしのなかでも、腟やデリケートゾーンのことを意識して過ごすだけで健康状態は変わると思います。

────腟やデリケートゾーンについて、すごく勉強になった時間でした……本日はありがとうございました。最後に読者の方にメッセージをお願いします!

腟やデリケートゾーンのケアは、友人同士でも話しにくいトピックですし、形状やそのときの肌のコンディション、ライフスタイルでどんなケアが必要か変わっていきます。ぜひ自分のおりものや肌の状態、形状などをよく観察することからスタートしてみてください。そして読者の方が自分に合うケアを見つけるきっかけとなれば嬉しいです。

Q1.最近当たり前となってきたVIO脱毛。始めたいけどデリケートな箇所なので本当に処理して大丈夫なのか心配もしています。毛が生えてくるのって大事な場所を守るためだからなのでは?

A.大事な部分を守るために毛が生えていると言いますが、その考えは人間が裸で生活していた頃の話に聞こえます。私たちは普段からショーツを穿いていてさらに毛もある。守りを固めすぎるがために、蒸れやすくトラブルになりやすいことも。IOに関しては、おりものや排泄物が付着したままだと不衛生になりやすいので、清潔さを保つために処理することをおすすめします。Vは外陰部の形状だったり、自分やパートナーの好みもあるので、形状やライフスタイルを考えながら処理をするかしないかを選択すると良いと思います。VIO脱毛は全部処理をするイメージが強いですが、Vまで全部なくす必要はないですよ。少し残しておけば、暖簾をくぐるような楽しさもあっておすすめです(笑)。

Q2.閉経後の腟とどう向き合うべきですか? 何をしなくても大丈夫ですか?

A.むしろ閉経後のほうがトラブルが出やすくなります。歳を重ねると骨盤底筋が弱まり、更年期の女性が悩む頻尿、尿モレ、くしゃみの際の失禁などトラブルにつながることも。腟や尿道、肛門は骨盤底筋で繋がっているので、腟や肛門を意識しながら締めたり緩めたりを繰り返して、腟圧をコントロールする力を鍛えておくと、排尿に関するトラブルを軽減できると思います。また閉経後のおよそ50歳前後の女性は、「女でなくなった」と感じてしまう方も多いようですが、人生は100年時代。まだ50年も女性であることは変わりありません。“閉経後こそ”腟トレやデリケートゾーンのエイジングケアは怠らず、まだまだ女性としての自分を大切にしていただきたいです。

Q3.30代を目前にして、生理前の頭痛やイライラ、気分の落ち込みが激しくて悩んでいます。OliviAさんは生理前特有の不調をどのように対処していますか?

A.まず“無理をしない”ですね(笑)。自分の身体の声を優先しています。私自身、アロマセラピストとして施術もしており、そのときの気分でディープなウッド系やさっぱりとした気分になれる柑橘系など、アロマの香りを目一杯呼吸しながらリフレッシュするのもおすすめです。あと最近はよもぎ蒸しを自宅用に購入し、温めケアをしています。下腹部もぽかぽかして気持ちよく発汗できるので、私のお気に入りケアです。

Q4.最近よく聞くフェムテックについて詳しく教えてください。また、おすすめのアイテムもあれば教えてください。

A.「フェムテック」は2013年にドイツの月経管理アプリの代表が「女性の健康課題をテクノロジーで解決する」という発想から、フィーメイル(female)テクノロジー(technology)を掛け合わせてできた言葉です。分野は細分化されており、セックストーイなどのセクシャルウェルネスの分野もあれば、吸水ショーツなどの月経の分野、メンタルヘルスケアの分野もあり多岐にわたっています。
専用ソープや保湿剤などのスキンケア用品はフェムケアと呼ばれており、オーガニックな優しい香りのものからさっぱりとした洗い上がりのスクラブが入ったものなどいろいろ種類が増えていますよ。
フェムテックを始めるなら、月経用の吸水ショーツがおすすめです。最近は形もデザインも増えて選びやすくなりました。経血モレを防ぐために月経カップや外陰部のヒダの間に挟み込むピース型の生理用品と組み合わせて使うと安心。自分が心地よく感じる性感帯を見つけるためにセックストーイもおすすめです。今は女性の起業家が多く、女性目線で女性のために作られているアイテムが多いんですよ。
気になる方はフェムテックアイテム、ぜひ注目してみてください。

/ PROFILEプロフィール

OliviA

ラブライフアドバイザー

20~50代の女性を中心にカウンセリングや講座で性生活の総合アドバイスを行う。性知識・コミュニケーション・フェムテックで女性のお悩み改善をしている。アロマセラピストとラブライフアドバイザー®︎の経験から考案したスキンシップ・コミュニケーション「LOVEもみ®」についてのHowtoが記された『セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ』などの著書がある。