アネルズあづさの読むカラダケア BEAUTY SALON

「Self-Awareness⑥ 〜Back to yourself 〜」

「香り」のエキスパート、
アネルズあづささんによる
女性のためのビューティーライフ講座。
自分の心と身体にゆったりと向き合い、
心地良く暮らしていくためのミニ知識や
意識の在り方をレクチャーします。
今回は、「自分自身に意識を戻す」をテーマに、
自分がどうしても気にしてしまうことに関して
上手に向き合う方法を教えてもらいながら、
引き続き「心が身体に発するサイン」を
掘り下げてお届けします。

【これまでの記事はこちら】


第10回
Self-Awareness⑥
〜Back to yourself〜

こんにちは。アネルズあづさです。

朝晩冷え込む季節になり、
いよいよもう少しで1年が終わる足音が聞こえてきましたね。
この時期は心も身体も、忙しさと楽しさを同時に感じてくる頃です。

年末から年始にかけて寒さがますます厳しくなり、
室内で過ごす時間が長くなってしまう方も多いはず。
そうなると身体を充分に伸ばしたり
動かしたりという機会が少なくなってきますよね。
けれど、少しだけ肌にツンとくるような寒さでも、
あまり室内でばかり過ごさず、外に出て
そのクリアで冷たい空気をゆっくりと吸い込むことによって、
不思議と身体全体が透き通るように
キレイになるような感覚を
味わうことも大切です。
寒い冬は、代謝が悪くなって体重が増加したり、
不調和が生じてくると感じてしまいますが、
むしろ寒い時季には夏に比べて体温や循環も含めて
心身がうまく状態を調節しようとする働きが高まり、
代謝は高くなることがあります。
しかし、日照時間が短くなり、
物理的に寒さで動きたくない時間が多くなるにつれ、
気分的な不調和も生じ、食べている時間が長くなったり、
過食気味になってしまうことで、
運動量よりもカロリー摂取が上回り
体重の増加を感じることもあると思います。

そんな時、無理をしすぎない適度な運動や散歩、ストレッチは、
心と身体のスイッチが入り、
蓄積する疲労感や寝不足解消のサポートとなります。
そして、大きく身体を伸ばし、呼吸を深く意識するためにも、
ぜひ精油の香りを楽しんでいただきたいと願っています。

さて、最終回となる今回のBEAUTY SALON。
今回は「心が身体に発するサイン」として、
人の目や自分の嫌な部分を気にしてしまうことによる
疲労感やストレスを抱え込んでしまう時の
対処法をお話しながら、
「自分自身に意識を戻すこと」をテーマに一緒に考えていきましょう。

// 今、自分の心の中にある「気になること」を感じてみる

まずは今回も読み始める前に目を閉じて、2〜3回ゆっくり深呼吸をしてみてください。
そして思い浮かべてみましょう。

「今誰かとの関係で、何か気になっていることはありますか?」
「どうしていつも自分はこんなに人を気にしてしまうんだろう、と繰り返し考えてしまうことはありませんか?」

意識しないようにしていても、ついまわりを気にしてしまう……。
多くの人がそんな経験があるのではないでしょうか。
誰かに何か言われたわけでもないのに、「きっとこの人はこう思っているんだ」とか、「きっとこう言うと、こう思われてしまうんじゃないか」「気分を悪くせるかもしれない」と自分の中だけでイメージが様々な方向に膨らんでいってしまうこともあると思います。その場合、出口がないまま自分の気持ちがどんどん疲労していきます。

もしくは実際に誰かに何かを言われた時、「どうしてこんな態度をするんだろう」とか、「あの人は私のことが嫌だからそんな言い方をするんだ」とマイナスの受け取り方をして、その時のことをふと思い出すだけで、怒りや悲しみ、そして嫌な気分を感じてしまいます。

皆さんはそんな時、どのように自分自身で解決していますか?

// 人の価値観や視点はそれぞれ異なる

例えば、「誰かに相談する」ということで解決しようとすることもあると思いますが、それが友人でも家族でも恋人でも、「そんなの気にすることないよ」と言われた経験はありませんか?
そしてその時、「そっか、気にしなければいいんだ」と素直に思えますか?
自分のために真剣に、また時間を使って相談に乗ってくれているということを考えると簡単には口に出せませんが、正直ちょっとイラっとしたり、嫌な気持ちになったりする経験の方が多いのではないでしょうか。

それはすでに相談する前に、「気にしない方がいい」ということを自分でもわかっているからです。でも、そうすることが難しいがために、実際に言葉に出して、他の人の意見を聞きたいと願っているのです。
すでにある程度自分自身の中で考えた上で相談しているのに、そんな言い方をされてしまうと、「そんなことわかっているけどできないから相談しているのに!」とつい嫌な気分になってしまいます。
もしくは、相談することで自分が感じていることが間違っていないか「確かめる」作業をしていたり、さらには自分が思いつかない、感じないような新しいアドバイスが欲しいと願って期待しているのです。

ただし、ここで必ず理解しなければいけないのは、「人はそれぞれに違った視点や感覚で気になるを意識し捉えている」ということです。

自分には気になることや、傷つくようなこと、どうしても先回りして考えてしまうことであっても、相談相手にとってはさほど気にならないことであったり、傷ついたりすることではない、という場合もあります。そのため、さらに「自分はどうしてこんなに気になってしまうんだろう……」と、他の人と比べることによって逆に気になる度合いが悪化したりすることもあるのです。

// 気になっていい・人の目を気にしていい

呪文のように、自分自身に「気にしない、気にしない」「忘れればいい、忘れればいい」と語りかけることもできます。しかし、実際にはそう思えば思うほど、ますます気になりませんか?
だからこそ、今ここで目を閉じて深呼吸をして自分に問いかけてみましょう。
「それは、別にこのまま気にしちゃってもいいのではないか?」
「気になるまでとことん気にしてみようかな?」
「誰も気にしちゃダメだって言ってないよね?」

気にしていることはあくまで「自分が」気になっていることなのです。
であるからこそ、「気にしていいんだよ」と自分に語りかけるのも1つの方法です。「気にしない、気にしない」と無理に願うからこそ、心も身体も苦しくなったり反発する可能性があるからです。
「気になるのだから仕方がない」と受け入れることで、これが自分自身であること軸としてまわりを何か変化させたり、苦しい部分ばかりに焦点を当てることなく、「自分は気になる性格だよね」と力を抜いて自分に教えてあげるのも手だと思います。

なぜなら、「気にしない」と強いて苦しく感じても、「気にする!」と力を抜いても、おそらく結果は変わらないと予測できるから。

気になったり考えすぎる自分は、どんなことをしていても必ず何かが気になっているものです。しかし、気にしないと考えるのか、気にしていいと考えるのかは、どちらが自分らしく自分を受け入れて楽に捉えられるか?という点に大きな違いが生じ、心と身体の疲労感と蓄積の度合いに変化が表れると考えられます。

中でも「人からこう見られたい」といった思いに関しては、まずは「見られたい自分自身」に純粋に挑戦してみることが一番の近道です。それが実現できなかったり、挑戦してみたものの自分が望む思い通りに見てもらえないこともあると思います。しかしただ抑えるのではなく、挑戦しながら自分を受け入れ、「なぜ自分はそう見られたいのか?」を考えてみると、「もともと何を気にしていたのか?」が、自分の中に答えとして見えてくるかもしれません。

// どうして気になるのか?どうしてそう見られたいのか?

「自分は気になってしまう性格だ」
「自分は常にこれを、この人を気にしてしまう」
「自分は人の動きや感情や敏感なことが伝染してしまう」
「自分は人が自分をどうみるか、どう見てくれるかが気になってしまう」

これらの思いは、自分の中で何かが心配になったり、自信がない、不安、誰かへの憧れや妬み…という感覚が根底にあります。しかしこの感情は視点や角度を変えてみると、自分をもっと進歩させたり、高めたいと望んでいる証しなのです。だからこそ決してネガティブに感じるのではなく、どちらかというと自分の特性、ポジティブ要素として認識することが大切です。

「気になること」「気になる自分」を否定したり、考えないようにするのではなく、「気にしてもいいんだ」ということ、そういう自分がそこにいると素直に自分の中で認めてあげること。
そのことを受け入れた瞬間になぜか楽になるような感覚や、新しい空気が心と身体に入り込む感覚になるはずです。これが自分自身に意識が戻るという感覚なのです。
このように一度力を抜いて、自分自身に意識を戻して考えてみましょう。そうすることで、「自分は何を気にしているのか」ということを少し冷静な視点や角度で捉えることができます。
想像していた以上にそのことがあまり重要ではなく感じたり、実際に気にしているほどその人が自分のすべてではなかったり、本当は自分自身にはあまり影響がなかったりなど、自分の中の新しい気づきが生まれることにも繋がります。そして、自分にとって楽だと感じる方法を選択していいのです。こう考えると、私たちは自分で自分の感覚を、自分の心で重くしているかもしれませんね。

// 自分を意識するためのヒント

続いて、相手とのコミュニケーションの中で「自分」というものをしっかり意識するにはどうすればいいのかをお話していきます。
私たちは1人で生きていくことはできませんし、必ず助け合い、協力することでこの社会生活を進めています。その中で自分が思う通りにストレスなく過ごそうと思っても、簡単に他の人を自分が思うように自由にコントロールすることはできません。それができると思えた場合には、きっとそれによって誰かが我慢したり、辛い思いをしたお陰で成り立っていたかもしれません。

むしろ何かを自分の思い通りにコントロールしようとすればするほど、ネガティブなストレスや相手に強いるような感覚が生じてきます。そして、まわりからの目や関係性、形や見え方に支配されて、想像以上に自分だけでなく相手の感覚を抑制してしまいます。
感覚的な歪みや不具合は心だけではなく、積み重なることによって身体にも不調和を感じることも珍しくありません。
しかし、身体に現れるまでは、心のサインを無視してしまいがちです。
こういった場合にも、
「もともと自分の思い通りに、人をコントロールすることはできない」
「人を自由にコントロールできない中で、どういった関係性やコミュニケーションが良いのか」

と少し視点を変えて考えてみることが大切です。
感情のぶつかり合いや強制的な感覚で人の心とコミュニケーションを考えるのではなく、自由にコントロールができない中で、どのように挑戦していけるか、挑戦すべきかという「線」を、自分と相手との間に意識的に引くのです。この「線」は、決して壁のような超えられない難しさを意味するのではなく、あくまで意識的に距離感を大切に保つことができる境です。それを超えて、こちら側に来すぎると、お互いが苦しくなってしまう境界線です。

また、時には相手をコントロールするのではなく、自分の中に受け入れ、相手から自分が離れてみる、という方法も選択肢です。無理してその相手のそばにいることで、自分も相手もお互いに何かを強いるようなコミュニケーションが続きます。そこで明らかに心と身体の変化を伴うことがわかるのであれば、最初に自分が楽になれるように、「あ、自分は嫌なんだ」と自分自身に意識を戻すことで、見えてくることも出てくるものなのです。

大人になればなるほど、自分自身を意識する時間や機会が大事だとはわかっていても、
それを実行できる時間はどんどん少なくなります。
そして自分の心と身体が悲鳴をあげて何か問題が生じた時に、
初めてその声を聴き始めるといった経験に
身に覚えがある人も多いのではないでしょうか。

さあ、もう一度目を閉じて深呼吸をし、
自分の硬さを感じる部分を思い浮かべてゆっくりと呼吸を繰り返しましょう。
眠る前には、必ずこの呼吸の深さを確かめてみてください。
そして、自分自身を大切にケアしてあげてくださいね。

さて、このコラムも今回が最終回。
これまで10回に渡って心と身体が決して分離しているものではないこと、
心の不調和が身体に様々なサインを送り続けていることによって、
私たちは自分の変化を感じ続けていることをお話ししてきました。
私自身もまたみなさんにお話しできるように、
今後も継続して女性の心身のケアとアロマセラピーケアを学び、
研究を進めていきたいと思います。
そしてこれからも、ぜひ皆さんが少しでも自分の健康と自分らしさを保つために
心と身体に意識を向けながら、
脳に直接働きかける「香り」を生活の中に取り込んで欲しいと願っています。


自分に意識を戻す感覚をサポートする
オススメのオーガニック精油 

普段の呼吸が浅いことによって、充分に胸を開いてゆっくりと深く自分の中に呼吸を取り込めていない感覚があると思います。とても簡単なように思えて、最も私たちが行なっていないことの一つに「深呼吸」があります。嗅覚から脳にダイレクトに信号が届く香りとともに、今この瞬間、5分で良いので、手をお腹の上で軽く組み、ゆっくりと床もしくは椅子に楽な体勢で身体を置き、目を閉じて深呼吸してみましょう。
心を穏やかに安心感をもたらし包み込むような優しい香りをもつNeroli (ネロリ<Citrus aurantium>)と、瞑想やメディテーション、また寺院などでも用いられるSandalwood(サンダルウッド<Santalum spicatum>)の組み合わせが、深い呼吸とともに自分自身を意識的に感じることをサポートしてくれます。また、さらにOrange Sweet (オレンジスウィート)やBergamot(ベルガモット)のいずれかを組み合わせると優しい爽快感がアップします。
常に身近な場所に香りを置くためにも、ティッシュや試香紙に、それぞれ1滴ずつ垂らしてデスクやテーブルに置いたり、ティッシュに垂らして持ち歩いたり、1滴を指先に垂らして髪の毛にそっとつけるのもオススメです。睡眠の30分前に枕元に垂らすか、入浴時やシャワーの際に芳香浴として、数滴浴室の床に垂らしてシャワーのお湯をあてたり、お風呂の中に合計10滴ほど加えて(肌が敏感な方は5滴など)、立ち上がる蒸気と共に香りを深呼吸で取り込んでみましょう。

枕元&ティッシュ:Neroli 1滴&Sandalwood 2滴+(Bergamot 1滴)
入浴時:Neroli 2滴&Sandalwood 3滴+(Orange Sweet 3滴)
シャワー時:Neroli 1滴&Sandalwood 2滴+(Orange Sweet 2滴)

*純粋な精油は揮発(蒸発します)するため、香りはお湯に当てると蒸気となります。また、精油は水とは決して混ざらない性質を持っていますので、お湯の中に入っていくことはありません。

/ PROFILEプロフィール

アネルズあづさ/アネルズ アヅサ

株)Blue ink代表取締役 / 株)ASK取締役COO / グローバルオーガニックフォーミュレーター / プロフェッショナルアロマセラピスト

アロマセラビー、ならびに妊産婦とベビーの補完療法を中心とした3年半の英国留学後、2000年に会社を設立。産婦人科内でのアロマセラピー分娩ケアを推進。数々の講座やセミナーの他、著名人や大企業、映画『パフューム』等のフォーミュレーター(調合監修)を務める日本の精油ブレンディング第一人者。昨年より自社ブランド『ARTQ ORGANICS』『CUDDLE BABY』にてオーガニック認証スキンケアの販売開始。自身が運営するアロマセラピースクールでは日本で唯一オーストラリア政府認定資格が取得できるコースも開講。