アネルズあづさの読むカラダケア BEAUTY SALON

「Self-Awareness⑤ 〜Anxiety and Grief〜」

「香り」のエキスパート、
アネルズあづささんによる
女性のためのビューティーライフ講座。
自分の心と身体にゆったりと向き合い、
心地良く暮らしていくためのミニ知識や
意識の在り方をレクチャーします。
今回は、“不安や悲しみ”の感情をテーマに、
心と身体の繋がりや関係性、上手に付き合っていくための解決策、
対処方法などを教えてもらいながら
引き続き「心が身体に発するサイン」を
掘り下げながらお届けします。

【これまでの記事はこちら】


第9回
Self-Awareness⑤
〜Anxiety and Grief〜

こんにちは。アネルズあづさです。

徐々に肌寒くなり、秋の香りを感じるようになってきましたね。
もうあっという間に冬に手が届きそうな季節になりました。
秋は食材が豊富になり、
山や街並みもブラウン調の色に変化してきます。
秋の空気感や風は、心と身体が
程よく心地良いと感じる時季でもあります。
私自身、1年の中で一番好きな季節です。

ただし、日中と朝晩に寒暖差を感じ始め、
ちょうど着るものなども変化してくるタイミングですから、
急激な冷えには注意が必要です。
夏の延長として過ごしていると急に体調を崩したり、
ふとしたことで風邪を引いてしまったり、
エネルギーが下がったように感じることも生じます。

せっかく運動や散歩が楽しい時季でもありますので、
冷えには気をつけながら、
時間があれば少しだけ遠出をして
美味しいものを楽しみ、
ぜひ深呼吸をして外の香りを
楽しんでいただきたいと願っています。

今回のBEAUTY SALONのテーマは、
「心が身体に発するサイン」として、
普段の生活の中で継続的に私たちが感じる
「不安と悲しみ」について。
「不安と悲しみにどう向き合っていけば良いのか」ということを
一緒に考えていきましょう。

// 不安や悲しみを感じる自分を探ってみる

目を閉じて、2〜3回ゆっくり深呼吸をしてみてください。
そして思い浮かべてみましょう。

「最近、誰かに、何かによって不安を感じたことはありますか?」
「最近、誰かによって、何かに強く悲しみを感じたことはありますか?」

不安や悲しみを感じた時のことを思い出すだけで、すぐに涙が溢れてくるような、何かが心に響くような感覚になり、自分では抑えられない不安定な“揺れ”を感じることがあります。

前回のテーマ、『怒りや落ち込み』と同様に、瞬間の感覚だけではなく、不安と悲しみを感じたことによって生じる感覚が長い期間に渡って繰り返されるにも関わらず、環境や状況を変化させることができない人は、その影響で心身ともに変化が生じている可能性が高く、何かで補おうと必死に様々なことを試みている場合も多くあります。

眠れない日々が続いたり、身体のだるさや重さがなかなか取れず、起き上がることが辛く感じるようになったり、食欲が一気に低下したり、やる気が出なくて無気力状態が長く続いたり。自分に自信がなくなってきたり、冷えを感じやすくなったり、緊張度が高まって少しの音や出来事にも敏感に反応するようになったり、他人の声や動きが気になったり……。
このように不安や悲しみといった心と身体を支配してしまう感覚は、いつの間にか身体の動きや免疫、疲労感など体調に影響を及ぼしてきます。

心と身体をラクにさせるために放置することも大切ですが、このような感覚は単に放置するのではなく、まずは自分自身を解放し、向き合うことが次に進むために必要な方法です。

// 不安が教えてくれるもの

皆さんは、普段どのような場面で不安を感じますか?
あらかじめ不安を防ぐ方法や魔法の薬があれば、私たちはこの不安を未然に防いだり感じないようにできるのかもしれません。しかし、不安は予測できずに急に生じる感情でもあり、感情を持つ生き物である私たちにとって取り去ることができない感覚です。そしてこの不安によって、心と身体も緊張や負担、疲労を感じます。
そして不安が原因で、肌が荒れたり、お腹が痛くなったり、頭痛を感じたり、生理痛が重く感じたり、腰が痛くなったり、暴飲暴食気味になってしまったり……、自分ではなかなか解決できないような辛い悩みに発展することもあります。このように考えると、不安を取り去って生活することは大変難しいことだとわかります。

不安を隠し、そう見えないようにしたり、自分でもそう思わないよう努めることはできても、不安を感じずに生きていくということは考えられません。不安はとてもシンプルな感情で、私たちが何かに関して「わからない」と感じた時に生じてきます。これは、勉強でも仕事でも、将来設計でも同じです。実際にこれから生じる先へ進む力、未来へ向かって進む動作に対して生じる感情です。第8回でお話しした『怒りや落ち込み』などは、どちらかというと過去に生じたことや、また再度起きると予測できることで生じる感覚であり、異なる感情なのです。
「不安」という言葉は、いつもネガティブで悪い感情と捉えがちですが、私たちに不安が生まれ、訪れるからこそ立ち止まって考え、「これから自分はどのようにすれば良いのか」を考えることができます。勉強も学ぶとわからないことが生じてくるため、とても不安になりますが、ここで生じてくる不安は前に進むために必然的に訪れてくる感覚です。学んでいないと「何がわからないのか?」という考えにも至らず不安も生じません。不安を感じているということは、自分の中に変化があり、そして前に進もうとしている力が働いている、ということです。
つまり「不安」という感情は、前に進むために、そして成長するためのポジティブな意味も同時に持っているのです。それは、仕事やプライベートの環境、そして将来の自分を考える新たなきっかけとなります。しかし、ほとんどの場合にネガティブに捉えてしまうのは、時に人間関係や恋愛関係の原因も複雑に絡み合うため、自分では抑えられない悲しみや怒りなどの衝動的な感情を伴って、一緒に襲ってくることがあるためです。

// 不安との向き合い方

では、私たちはどのように不安と向きあえばよいのでしょうか?
まずは漠然とでも、「何に対して不安か」ということを、自分自身で整理して明らかにしていく必要があります。訪れる不安に対してその理由や原因が「まったく無い」ということはまず考えられません。それが、生活の中にある環境や場所、人間関係、仕事関係、恋愛関係、もしくは自分の体調や健康、またはそのほかの物的な要因なのか。まず考えられる原因を自分の目の前に置くことによって初めて、自分に訪れている課題と向き合うことができます。
不安になるということは、まだ自分には経験がなかったり、解決策を見出せずにいたりと、「自分ではどうすればいいのかわからない」ということが多いです。その不安を除くための解決策や、対処法のためのアドバイスや情報をくれる人が周りにいるかもしれないので、意識して探してみることも大切です。

それは、友人、家族、知り合い、専門家など、誰でも構いません。不安を隠すのではなく、実際に口に出してみるというのは大切な課題へ向き合う手段の一つです。要は、学んでいて壁にぶつかった時、わからないことがあれば聞いてみるということです。とてもシンプルなことですが、そうすると実はすでに同じ経験をしている人がいたり、実際に同じ不安の解決策を例として教えてくれる人がいたりします。ただし、ここで気をつけなければいけないのは、答えは必ずしも一つではないということ。相談した時に同じ方法を押しつけてくるような人がいる場合には、お話だけアドバイスとして耳を傾け、常に一歩下がって自分の状況と照らし合わせて考えたり、数名に同じことを聞いてみることも大切です。

不安は自分の課題であり、その解決例を聞いて自分で考えることによって、解決に繋がる答えを見つけたり、さらにはあまり不安を感じる必要もないことだったと気づくこともあります。いずれにしても、私たちの課題として「わからない」ということを減らしたり、無くしたりすることができることは、不安を軽減することに繋がります。そして、それでもどうしても消えない課題には、時に環境を変えたり、離別したり、諦めたりといったことも必要です。このすべてを自分の課題(不安)に向き合った結果であると納得し、次に進むことができるか? ということが、その後も訪れる課題に向き合う大切なプロセスになります。

このように不安を考えてみると、継続する「不安」を解決しようとする自分に必要なのは、決断するという「勇気」かもしれません。

// 悲しみが教えてくれるものとは

次に、私たちが悲しみを感じた時にどのような状態になるのか、想像してみましょう。
涙が溢れてきたり、同時に怒りを感じたり、不安を感じたり、急に身体からエネルギーがなくなってしまうように脱力したり、呼吸が苦しくなったり、頭が痛くなったり、足がすくんだように固く感じたり手が震えたりなど、心だけではなく身体でも深く感じる感情です。
また、自分に生じたことだけでなく映画やテレビ、本、ドキュメンタリーなど、自分の感覚と相手の感覚や物語を重ね合わせることでも、自分がその場にいて感じているような感覚として、この悲しみの感情が湧いてきます。しかし、この場合には、比較的客観的にその場面を捉えているため、多くの場合、身体的な大きな変化や感覚をもたらすまでには至りません。

悲しみは、自分の思い通りにならないことで大切なものを失ってしまった時、そしてそれを理解することで予期せず生じてくる感情です。悲しみの感情を抱いた後は、その深さによってなかなかすぐに心も身体も回復することが難しいこともあります。どんな悲しみでも、必ず心に残り、すぐに何もなかったように回復できることはありません。回復するまでには多少の時間がかかるのです。
そして、回復の過程でよく考えることによってさらに悲しみが増幅することや、怒りや不安を感じることもあります。悲しみはこのすべての過程で、それぞれに必要・必然である経験となり、私たちに時間を空けることや、心と身体を休める瞬間が必要であることを教えてくれます。

また、自ら悲しみを作り出してしまうようなことをあえてしてしまう、繰り返してしまう場合には、何かを失う強い衝撃や感情で、無理矢理自分を変化させようとしているサインかもしれません。これを解決できるのは、今ある要因と向き合う自分です。本来自分が求めているものは変化であり、決して悲しみではないはずなのです。

// 自分の気持ちに素直になることが大切

悲しみを感じる時に、もし大切なものを失ったり、大事なものを失くしてしまった場合、そのもの自体を取り戻す努力や方法を考えることも一つの可能性です。本当に自分にとって大切で大事なものであることに気づいた時、悲しみが生じたことに意固地にならず、自分が感じる素直な感覚に沿って動くこと。それが、悲しみを軽減することができるポイントとなります。もしその時に、「恥ずかしいから」「面倒だから」「無理だから」と自分の中にある理由で諦めてしまう場合には、決して他人のせいではなく、それも自分自身の答えであると理解しなければいけません。

もちろん、すべてのものが取り戻せるわけではありません。どうしても失ったものを取り戻すことができないと確実にわかった場合には、自分の中で「どうしてそれがそれほどまでに大切であったか」ということを再度考え、そして感じた上で、「お別れの作業」が必要です。このような場合、自分の気持ちが複雑に混乱することで、冷静に状況を把握できないこともあります。そんな時は、
・自分自身にとって何が大切であったのか?
・それを失うことで自分はどのような状態になるのか?
・なぜ大切だったのか?

ということを文字に落としたり、言葉に表してみましょう。
実は冷静に文字に落としてみると、自分が感覚値で考えていた時よりも、よりその理由が明確に理解できたり、逆に本当はあまりそこまで大切ではなかったのかもしれないといった様々な感覚が生じてきます。
悲しみという感情もまた、不安と同様に感情的な感覚だけではなく、私たちに自分と向き合う機会と気づきを与えてくれます。

不安も悲しみも、要因としては仕事、プライベート、家族、異性、
環境、体調、子供、お金、目標、将来などそれぞれに異なります。

しかし、どのような要因であっても大変難しいのは、
誰かが、そしてどこからか自然にその解決策が
降ってくるわけではなく、
不安や悲しみを軽減させるために、その要因に対する勇気を持った決断や
自分の中の自分への示唆、そして自分で納得できる
別れの作業が必要であるということです。

どんな選択や不安や悲しみ、そして目標や期待に対しても、
今起こっていることが必然であるとしたら、むやみやたらに焦ったり、
闇雲に行動したりするなど時間を急ぐ必要はありません。

自分の思いに反発するからこそ、不安も悲しみも増幅し、
軽減する方法が見えなくなってしまいます。
そして理由のわからない偏頭痛や定期的なお腹の痛み、
便秘など身体の緊張、不調和となってあらわれます。

私たちは心がそこまで強くある必要はありません。
強くあるように社会の中で求められていると感じているだけです。
強くあるように求めているその人自身も、
本当は弱い自分と向き合えていないために、
どんどん硬くなっている場合もあります。
私たちは必ず弱さを持って、感じて生きています。

・私はどうしたいのか
・私はそのために何が必要なのか
・私はそのために誰が必要なのか

意固地な自分を取り去って自分を解放した時に
本当に自分に必要なエッセンスが見えてくるかもしれません。
そしていつの間にか、身体の不調和が軽減していることに
ふと気付いたりします。

さあ、ゆっくりと深呼吸をしてみましょう。

次回は「心が身体に発するサイン」として、
「人の目と自分の嫌な部分」に関係する感覚について
一緒に考えていきたいと思います。


不安や悲しみに向き合うために
オススメのオーガニック精油 

普段の呼吸が浅いことによって、充分に胸を開いてゆっくりと深く自分の中に呼吸を取り込めていない感覚があると思います。とても簡単なように思えて、最も私たちが行なっていないことの一つに「深呼吸」があります。嗅覚から脳にダイレクトに信号が届く香りとともに、今この瞬間、5分で良いので、手をお腹の上で軽く組み、ゆっくりと床もしくは椅子に楽な体勢で身体を置き、目を閉じて深呼吸してみましょう。
深さの中に安心感をもたらすニュートラルでクリアな爽快感を感じさせるFrankincense(フランキンセンス<Boswellia neglecta>)と、フレッシュグリーンの温かみのある香りで、食品としても愛用されているLime(ライム<Citrus aurantifolia>)の組み合わせが、深い呼吸とともに自分自身を意識する感覚をサポートしてくれます。
常に身近な場所に香りを置くためにも、ティッシュや試香紙に、それぞれ1滴ずつ垂らしてデスクやテーブルに置いたり、ティッシュに垂らして持ち歩いたり、1滴を指先に垂らして髪の毛にそっとつけるのもオススメです。睡眠の30分前に枕元に垂らすか、入浴時やシャワーの際に芳香浴として、数滴浴室の床に垂らしてシャワーのお湯をあてたり、お風呂の中に合計10滴ほど加えて(肌が敏感な方は5滴など)、立ち上がる蒸気と共に香りを深呼吸で取り込んでみましょう。

枕元&ティッシュ:Frankincense 2滴&Lime 2滴
入浴時:Frankincense 3滴&Lime 2滴
シャワー時:Frankincense 2滴&Lime 3滴


*純粋な精油は揮発(蒸発します)するため、香りはお湯に当てると蒸気となります。また、精油は水とは決して混ざらない性質を持っていますので、お湯の中に入っていくことはありません。

/ PROFILEプロフィール

アネルズあづさ/アネルズ アヅサ

株)Blue ink代表取締役 / 株)ASK取締役COO / グローバルオーガニックフォーミュレーター / プロフェッショナルアロマセラピスト

アロマセラビー、ならびに妊産婦とベビーの補完療法を中心とした3年半の英国留学後、2000年に会社を設立。産婦人科内でのアロマセラピー分娩ケアを推進。数々の講座やセミナーの他、著名人や大企業、映画『パフューム』等のフォーミュレーター(調合監修)を務める日本の精油ブレンディング第一人者。昨年より自社ブランド『ARTQ ORGANICS』『CUDDLE BABY』にてオーガニック認証スキンケアの販売開始。自身が運営するアロマセラピースクールでは日本で唯一オーストラリア政府認定資格が取得できるコースも開講。