アネルズあづさの読むカラダケア BEAUTY SALON

「Self-Awareness④ 〜Anger and Depression〜」

「香り」のエキスパート、
アネルズあづささんによる
女性のためのビューティーライフ講座。
自分の心と身体にゆったりと向き合い、
心地良く暮らしていくためのミニ知識や
意識の在り方をレクチャーします。
今回は、“怒り”の感情をテーマに、心と身体の繋がりや関係性、
それに伴って身体に生じる症状を見逃さない方法など
引き続き「心が身体に発するサイン」を
掘り下げながらお届けします。

【これまでの記事はこちら】


第8回
Self-Awareness④
〜Anger and Depression〜

こんにちは。アネルズあづさです。

厳しい暑さを感じる時間が少なくなり、
少しずつ秋の気配を感じるようになってきました。
皆さんはどんな夏休みを過ごされましたか?

夏は忙しくて、これからお休みという方もいるかもしれません。
休みの時期を少しズラすと、混み合うことなく、
さらに通常よりも安価で旅行できたりする利点もあります。
反対に、本当は休みをズラしたいのに、
子供や家族の事情で毎年一番混んでいる時期に
休みを取らなければいけない人も多くいると思います。

そうなると、休みが負担に変わってしまい、その疲労感も積み重なって
そろそろ疲れがピークにきている時期ではないでしょうか?

そして今の時期は、まだ室内外の気温差で
体調を崩してしまいがち。
情報に影響されて、
急に衣服や食べ物を変化させたりせず、
自分自身が感じる本能や感覚で
判断していくことが大切です。

去年と比べ、1年経った自分は変化しています。
「これくらいは大丈夫だった」と何事もあまり過信することなく、
今の自分を感じることから始めましょう。

今回のBEAUTY SALONのテーマは、
「心が身体に発するサイン」として、
日常的に生じる“怒り”と“落ち込み”について。
怒りと落ち込みによって、
知らず知らずのうちに
「感情に支配されてしまう」ということを軸に、
一緒に考えていきましょう。

// 怒りや落ち込みを感じる自分を探ってみる

まず読み始める前に、目を閉じて2〜3回ゆっくり深呼吸をしてみてください。
そして思い浮かべてみましょう。

「最近、誰かに、もしくは何かにとても怒りを感じたことはありますか?」
「最近、とても落ち込んだことはありますか?」

それらの感情を思い出すと、胸がドキドキしたり、涙が出てきたり、頭に血が上ってくるような感覚が湧き上がってきたり、体が震えたり、こわばったり…など、何かしら身体に生じる変化を、多くの人が感じていると思います。
またもし、瞬間的な感覚だけでなく、怒りや落ち込んだ時の感覚を長い間記憶から取り去ることができず、何度も繰り返し感じてしまう環境や状況を抱えている場合には、急に頭痛やめまいがしたり、お腹や腰が痛くなったり、起き上がれないほどに身体が重く感じたり、胸が苦しくなったり…あるいは動悸を感じたりなど、身体の動きや免疫、疲労感など体調に影響を及ぼすこともあると思います。
このような、怒りや落ち込みのようにいつの間にか心と身体を支配してしまう感覚は、無理に捨てたり消すのではなく、まずその事実を受け止めて整理することが、自分の心と身体を解放していくための第一歩となり得るのです。

// 怒りが教えてくれるもの

ではまず、「怒り」について考えてみましょう。

皆さんは、正しい怒り方を知ってますか?
そして正しい怒り方はあると思いますか?

「怒るから悪い人」「怒らない人は良い人」といったことは決してありません。
怒りという感覚は誰もが保持しています。ただ、人によってその方法が異なり、それぞれの怒りの出し方によって出す側にも受ける側にも違いが生じます。そのため、方程式のように必ずしも「正しい怒り方」があるわけではなく、怒りの出し方を「その場、その人によって変化させられるかどうか」の範囲が、その人の印象を決めてしまうと考えられます。

どんなに見た目が成人であっても、私たちは子供のように誰かに怒りをぶつけたり、
時には子供に対しても戦うような口調で怒りをぶつけてしまうものです。
これは、怒りを感じた時に「余裕」や「判断力」が薄れてしまうことが原因に挙げられます。そして結果として、このような怒りをぶつける側も、ぶつけられる側も、同時に深く落ち込んでしまうのです。
そう考えると、「怒りの出し方」次第では“繰り返さなくてもいい”怒りによる落ち込みや罪悪感をコントロールできる道がありそうです。
ただ、間違ってはいけないのは、怒ることを我慢したり、怒りの感情をなかったことのように処理したり、怒っている自分を否定したり、過剰に抑えてしまうこと。そして怒りを「悪いこと」と捉えてしまうということです。
「怒り」は私たちにとって悪いことではなく、「怒りの出し方」が大切であるということを理解することが重要です。

// 怒りはどういった時に生じるのか

さて、怒りの根源になるものとは、具体的にどんなものでしょうか。

例えば、
①自分が大事にしている感覚や良しとしている方法
②大切にしたいもの
③大事にしているもの
④奪われたくないもの

これらが傷つけられた時や、否定された時、またこれらを失った時、自分の思い通りに進まない時といったものがあるのではないでしょうか。

そう。怒りは、私たちが大切にしているものと直結しているのです。
つまり、怒りをなくすためには、自分の中にある良しとしている感覚や方法、大切なものや奪われたくないものなどを取り去ることが必要になってきてしまうのです。
しかしそれは、多くの人にとって決して容易なことではありません。
むしろそれらは、生きるための糧や希望になっていることもあり、逆にこの感覚を共有したり、重ねられるようなパートナーに出会うと、途端に私たちは感動したりもします。
また、怒りの原因となる事柄や内容に触れないようにすれば、感情的な怒りの出し方はあらかじめ抑えることができるかもしれませんが、人生には予期せず出てくる怒りもあるものです。事前に予測やコントロールすることなど、なかなかできません。
そこでまず、「自分は何を大切にしたいのか、自分にとって傷つけられたくないものは何か」ということや、「一体何が原因でこの怒りが生じてきたのか」ということについて、少し時間を置いて考えてみることが大切です。
怒りは繰り返し同じ刺激がない限り、何日も同じ状態で継続することはありませんから、物理的にその場を離れるだけでも、感覚的にも冷静に自分自身で振り返ることができると思います。

// 怒りは自分の意識から生じる

このように考えていくと、自分の怒りの原因が実は相手にあるのではなく、自分のわがままや勝手な思い込み、自分が持っている意識、自分が経験した範囲で得た常識を押し付けようとしている可能性も見えてきます。
自分の感覚や意識が必ずしも相手と同じではないということ。
そのどちらが正しいかを判断するのは、必ずしも容易ではないということ。
そして何よりも自分自身を守ろうとして、目の前の相手に怒りを向けているような状況もあることに気づくのではないでしょうか。

私たちは、自分自身が傷つかないように怒りを通して自分を守ろうとするものです。
しかしそれが結果的に自分をも傷つけてしまうことも多々あります。
私たちは怒りを通して、自分の弱さや傷つきたくない部分をさらけ出す状態と似た感覚に陥るため、怒りをぶつけたり、喧嘩した相手とはその後あまり顔を合わせたくなくなったり、苦手意識が出たり、また反対にとても仲良くなったりということが生じるのだと考えられます。
感情的に怒りを継続することは、自分自身の心や身体を疲弊させるだけでなく、相手側も疲弊させ、さらに他のダメージや印象にも波及します。だからといって単に怒りを抑え、諦めて見過ごしたりすることは、心身にとって前向きな選択ではなく、この場合も心と身体に不具合が生じてきます。
大事なのは、どうしても生じてしまう自分の怒りに向き合うこと。それが自分の心に向き合うことに通じると理解することです。
「怒りがなぜ生じたのか」を理解することは、自分自身と冷静に向き合ったり、潜在的な部分を意識することに繋がってくるのです。
過去の怒りの原因、そして怒りによってダメージを抱えてしまった原因などを理解することで、自分の怒りのポイントを意識することができます。そして怒りを感じた相手に対して、本当に自分が伝えたかったこと、理由や原因などの本質を伝え、必要なお願いや指示ができるようになります。そして何よりも、感情的な怒りをぶつけることの繰り返しを避けることができるため、心身を疲弊させない、大事なセルフマネージメントとなり得るのです。

// 心を整理整頓して自己コントロールを

次に、「落ち込む」という感覚についてお話したいと思います。

皆さんは、どういった時に落ち込んでしまいますか?
人に否定された時、人を傷つけてしまったと感じた時、物事が思い通りに進まない時、自分が他の人と違う感覚になった時、悲しい人や困っている人を見た時、忘れたい記憶を思い出した時、人との約束を破ってしまった時、自分のせいで何か悪いことやミスが生じてしまった時…。

このように、私たちが落ち込む時には、とても多くの事柄が自分の感覚や想い、願いと戦っていることがわかります。
そして同時に、これらの感情は自分自身が今どのような状態、状況なのかが判断できてこそ生じ、自分に迫ってくる特別なものだということがわかるはずです。
反対に、私たちは生じた状態や事柄を判断せずに、ただ落ち込むことはできません。
必ず人と人との関わりや心、そしてそこに向き合う自分自身が存在します。
落ち込む感覚も怒りと同様、否定的に抑えたり封じ込めたり、我慢するのではなく、しっかりと受け入れ、受け止めることが大事です。

時に落ち込みは悲しみや後悔を伴って心身を消耗、憔悴させてしまうこともあります。
長引いてしまうと自分を否定的に責め続けたり、後悔を繰り返してしまう「反芻思考(はんすうしこう)」になってしまう可能性もあります。
そうならないためにも、自分の心が願う状況を理解することが大切です。
早いうちに自分自身が今どうありたいのか、何が必要なのか、冷静になって向き合う時間をつくり、自分に問いかけてみましょう。
その問いかけの中で「楽しさ」や「心地よさ」を見出すことが一つの出口となり、落ち込みを意識的にコントロールできるようになります。
もしどうしても感情的になってしまう場合には、信頼できる人に感じていることや考えていることを聞いてもらったりして、自分自身の心の中を整頓することが大切です。

日常にある「怒り」や「落ち込み」も、
「自分の中の大切な何かを守るため、守りたいがために生じる感情」。

そう考えると、自分次第でその見え方やあり方も変化します。
人に原因を見出したり、人を変えようとすることでは、
解決法にも解消法にもなり得ません。

どちらの感情も、見えないものと自分が戦っているような感覚があり、そこには勝敗も優劣もありません。
ですが、私たちが常に感情に支配されていることだけは確かです。

「怒りも落ち込みも、予測できないまだ知らない自分を知るいい機会」。
私たちは自分の感情に支配されてしまうからこそ、
自分に向き合うことが出口に繋がるのです。
そしてそんな時にはふと、呼吸が乱れていることにも気づくのです。
今は身体から必要のない力を抜き、頭の痛さや重さ、
肩の痛さや重さ、気分のモヤモヤを
ゆっくりと呼吸とともに流してみませんか?

さあ、ゆっくりと深呼吸をしてみましょう。

次回は「心が身体に発するサイン」として、
「悲しみと不安」に関係する感覚について一緒に考えていきたいと思います。


感情のコントロールをサポートする
オススメのオーガニック精油 

普段の呼吸が浅いことによって、充分に胸を開いてゆっくりと深く自分の中に呼吸を取り込めていない感覚があると思います。とても簡単なように思えて、最も私たちが行なっていないことの一つに「深呼吸」があります。嗅覚から脳へとダイレクトに刺激が届く香りとともに、今この瞬間、5分で良いので、手をお腹の上で軽く組み、ゆっくりと床、もしくは椅子に楽な体勢で身体を置き、目を閉じて深呼吸してみましょう。
優しい甘さと爽快感を感じるLaurel (ローレル<Laurus nobilis>)と、グリーンな甘さと温かさをバランスよく兼ね備えた香りで世界中の人々に愛されているLavender(ラベンダー<Lavandula angustifolia>)の組み合わせが、深い呼吸と自分自身を感じる感覚をサポートしてくれます。
常に身近な場所に香りを置くためにも、ティッシュや試香紙に、それぞれ1滴ずつ垂らしてデスクやテーブルに置いたり、ティッシュに垂らして持ち歩いたり、1滴を指先に垂らして髪の毛にそっとつけるのもオススメです。睡眠の30分前に枕元に垂らすか、入浴時やシャワーの際に芳香浴として、数滴浴室の床に垂らしてシャワーのお湯をあてたり、お風呂の中に合計10滴ほど加えて(肌が敏感な方は5滴など)、立ち上がる蒸気と共に香りを深呼吸で取り込んでみましょう。

枕元&ティッシュ:Lavender 3滴&Laurel 1 滴
入浴時:Lavender 5滴&Laurel 1 滴
シャワー時:Lavender 4滴&Laurel 1 滴


*純粋な精油は揮発(蒸発します)するため、香りはお湯に当てると蒸気となります。また、精油は水とは決して混ざらない性質を持っていますので、お湯の中に入っていくことはありません。

/ PROFILEプロフィール

アネルズあづさ/アネルズ アヅサ

株)Blue ink代表取締役 / 株)ASK取締役COO / グローバルオーガニックフォーミュレーター / プロフェッショナルアロマセラピスト

アロマセラビー、ならびに妊産婦とベビーの補完療法を中心とした3年半の英国留学後、2000年に会社を設立。産婦人科内でのアロマセラピー分娩ケアを推進。数々の講座やセミナーの他、著名人や大企業、映画『パフューム』等のフォーミュレーター(調合監修)を務める日本の精油ブレンディング第一人者。昨年より自社ブランド『ARTQ ORGANICS』『CUDDLE BABY』にてオーガニック認証スキンケアの販売開始。自身が運営するアロマセラピースクールでは日本で唯一オーストラリア政府認定資格が取得できるコースも開講。